カスタマーサクセスはKingではなく、Queenである
【概要】
・カスタマーサクセスは王様にはなれない。プロダクトこそKingである
・プロダクトの価値を越えたカスタマーサクセスは「虚偽広告」?
・でも、プロダクトの未来を左右するのもまた、カスタマーサクセスだ!
4回目のnoteを書きます。小林 泰己です。
「5秒で繋がるオンラインルーム・ベルフェイス」を提供する、ベルフェイス株式会社のカスタマーサクセス企画室として、テックタッチのカスタマーサクセスや、CS全般のデータ分析・戦略立案をしています。
今日のnoteは具体的なノウハウよりも概念の話が多めです。自戒&これから一層意識していきたいこととして書き残します。
きっかけはこの、クラウドサイン・橘さんのツイート。「そうなんだよな~」と思ったので、僕もコメントを入れました。
実はこのコメントに関して、後日ある人から「真意がよくわからなかった」という声を聞くことがあったので(がーん!w)、補足です。
カスタマーサクセスという職種はこれからの時代に必ず必要だし、僕自身今実際カスタマーサクセスとして、強い使命とやりがいを感じながら生きていますが、とは言え1つ確信に近い想いがあります。それは…
Product is King,CustomerSuccess is Queen.
どういうことか?めちゃくちゃ雑に言うと…
提供サービス(=プロダクト)がクソだと、カスタマーサクセスがいても提供できる価値はクソ(に近い)
ということです。
カスタマーサクセスは、プロダクトありきで輝く存在です。プロダクトの質を越え、カスタマーサクセス単体で価値提供できることは少ないのです。
実際には、カスタマーサクセスのホスピタリティや知識・経験によって、プロダクトの持つ価値を少しだけ超えることはあります。
例えば「気が合う担当さんについてもらえて、話が楽しい」「プロダクトは関係ないが、自分の知らない情報を教えてくれることがある」「(第三者の視点・意見を聞き)自社で気づけないことに気づける」など。
ですが、これはあくまで付加価値でしかなく、カスタマーサクセスのレベルが高い際に実現できることは、多くの場合「プロダクトの価値を100%に近い状態で提供できる」ではないでしょうか。
Content is King,Advertisement is Queen.
ちょっと別のもので考えてみます。例えば、コンテンツ(商品)に対する広告も、この関係が成り立ちます。
広告は、コンテンツの持つ真価を、広く・正しく伝えていくための存在です。広告のおかげで、そのコンテンツの魅力に気づくこと等はあれど、コンテンツ自体の価値が上がることは、ほぼありません。
広告が適切に行われることで、価値が同等(もしくはそれ以上)の類似商品より売れることはありますが、それはまた別の話としてください。
もしそのコンテンツが持つ価値を越えて、広告で表現したら、それはもはや「虚偽広告」です。
これは、カスタマーサクセスでも同じことが言えます。
自社が提供しているプロダクトの価値を越えて、なんでもできます!します!という支援をすることは、適切なカスタマーサクセスとは呼べないですし、どこかで無理が来ます。
じゃあ、カスタマーサクセスは無力か?プロダクトに恵まれていないとできることがないのか?
いいえ、違います。
プロダクトの未来は、カスタマーサクセスの力・働きによって左右されます
なぜなら…
■ 顧客がプロダクトをどのように使っていて、何に困っているのかがわかる
■ 顧客がプロダクトを使うことで、目指している理想像はどんなものか?を知っている
■ その理想までの道のりで、顧客が今どのあたりにいるのかを把握している
カスタマーサクセスが、お客様のことを一番よくわかっています。そしてもちろん、自社プロダクトのことを愛しています。これらを掛け合わせることができるのは、カスタマーサクセスの強みではないでしょうか。
カスタマーサクセスが顧客に対して本気で向き合い、と同時にプロダクトに対して本気で向き合えば、顧客目線をプロダクトに取り込みつつ、プロダクトを進化させる=価値を上げていくことができるようになります。
もし仮に今提供しているプロダクトがイケていない場合、問題や責任は経営陣・開発陣だけのものではありません。
プロダクトがイケていないと思いながらも、顧客の成功から目を背け、社内外とぶつかることを恐れるカスタマーサクセスの責任です。
会社を引っ張っていくプロダクトに対し、顧客と目線を合わせ、言葉を代弁し、問題提起・提案をできるのは、カスタマーサクセスだけです。
これらの観点があるからこそ、サービス初期の時点からカスタマーサクセスがいるべきなんですね。
プロダクトを良くした後にカスタマーサクセスが必要になるのではなく、プロダクトを良くしていくためにカスタマーサクセスが必要、ということです。
経営や、プロダクト事業部、はたまた他部署に対して遠慮をしていては、はじまりません。カスタマーサクセス事業部が、日々喧々諤々、多事業部と「顧客」を主語に議論を交わしている方が健全です。
なぜなら、愛するべき顧客と、プロダクトのためだから!
それはまるで、一家の大黒柱であるオトンがぐうたらと働かなくなったり、失敗してやさぐれた際、オカンが時に厳しく叱り発破をかけ、時にやさしく理解し支えてあげるかのように。
愛とは、厳しいだけでもダメで、優しいだけでもダメなんですね。
※今や女性だって働いている!男女の差はないのだ!という話はその通りです。が、今は違う話として一旦置いておいてください…!
Product is Oton,CustomerSuccess is Okan !?
プロダクトの価値ありきのカスタマーサクセスですが、その価値を最大限に上げていくことができる力を持つのもまた、カスタマーサクセスです。
オカンが家庭を愛するかのごとく、顧客とプロダクトに対して、厳しく、やさしく接していきたいですね。
今回のnoteはこのあたりで。もし感想やスキなどもらえれば、とても嬉しいです!お読みいただき、ありがとうございました。
※これは カスタマーサクセス Advent Calendar 2018 、10日目のエントリーです。
カスタマーサクセスに関するnoteを中心に更新しています。これからも、よろしくお願いします!