デブやないかい
これはバンコクでラーメン屋さんの立ち上げをしていた時の話です。
商業施設のオープンと同時のラーメン屋さん開店だったのでむちゃくちゃ忙しかったです。商業施設の「オープン景気」(業界用語なのかな)の勢いに飲み込まれその2か月うまいこと記憶がないですw(忘れたい記憶なのでしょう)
そこにはタイ人のスタッフが20人くらいいて、みんな一生懸命働いてくれてました。もちろん日本と同じでロゴ入りTシャツと前掛け、手ぬぐいを頭に巻いた昭和ラーメン屋スタイル。
ある日厨房には大柄なタイ人のOさんがいました。彼は38歳、大柄だしテキパキとはいかないなりにも良く働くし、スタッフも年上の男性という事もあり慕っているようでした。
あれ?彼の前掛けを見たら思った以上に幅がある。彼の右側から見ても左から見てもお尻まで前掛けで隠れてる。
彼はニヤニヤしています。「気づいてくれた?」とでも言いたげです。
そう彼は二枚の前掛けを縫い合わせてアレンジしやがったのです
この方が大きな寸胴とかで熱くないんですって。大柄と言いましたけどね、
「ただのデブやないかい。」
きっとそうだ、この言葉はその時生まれたんだ。きっと。。。
彼のように前掛けを2枚縫い合わせてオシャレ?するやつはもう出てこないだろうな。
そんな彼は2か月後、お酒の飲みすぎで次の日店に来れず、そのまま辞めていきました。
その前掛けは僕の家のクローゼットにあります。
使い道がないが思い出が強烈だったから。
Oさん元気にやっているだろうか。
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