【連載】未来に吹く風 ~君と短歌と一年間~ 第2章
~長野 鈴の述懐 水無月の時~
すれ違い追いかけ時に逃げながら 過ぎ去ってゆく夏よ、とまって
暑いの苦手なんですよ。寒いのもなんだけど。あの夏はもう一回やり直していいよって言われたら、どうするかなぁ、やり直したい気もするし、うん、やっぱりいらないかな(笑)あの夏はね、沢海君は簿記の研究と就職試験で私は吹部と公務員試験、お互い忙しかった時期だったね。彼はかまってもらえなくて拗ねてたかもだけど、私としてもやっぱり面と向かって接する機会が減るのは寂しいと感じてた。でも、きっ