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「種明かし」は悪なのか? - その理由や見過ごしやすい種明かしの「種類」を解説。

こんにちは、TAKKiです。

前日こんなツイートをしたら、
あれよあれよと大ものマジシャンの方にまでご意見をいただき
大いに盛り上がりました!

まさかの反響にびっくりしているとともに、
「もっとお行儀の良い言葉でツイートすればよかった・・・」と反省。笑


とにかく今回は、「種明かし」について!

この話題はいつか触れなければならないことだと思っていたので、
このツイートきっかけにその日の夜に執筆しているわけです。笑


今回は「種明かしは悪なのか?」というテーマから、

・種明かしによる影響
・個人的な答え
・皆が気づきづらい種明かしの「種類」

といった話をしていきます!

少し長くはなりますが、お付き合いください。


✅この記事を書いた人

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・種明かしによる影響


さて種明かしをされることでどんな影響を受けたでしょう?

お仕事でマジックをしているぼくから見ると、
正直なところ【特になんの影響もない】です。

たぶん多くのプロはそうなのではないでしょうか?


たしかに、

「そのマジックYoutubeで見てタネ知ってるよー!」

なんて言われることありますが、
実際にマジックを見せて最終的に得られる反応は

・「え、全然わからんわー!」
・「プロってすげぇな!」

といった、結果楽しんでくれてるリアクションなんですね。

感覚的には
「マジシャンにマジックを見せている」のと似ている気がします。

これに共感してくれるマジシャンも少なくないのではないでしょうか?
(もしかして僕一人ぼっち?!笑)


もし観客の「知ってる!」が怖いという方は、
こちらの記事も見てみてくださいね!


『他に影響はないのか?』

ここ数年、Youtubeでマジックを学んで
マジシャンになった人が急増しました。

そして将来的には、Youtubeで学んだマジシャンの割合は
もっと高くなってくるでしょう。
そうするとYoutubeでの種明かしを否定する人は減りそうですよね!

つまりは、Youtubeが現代のマジシャンの原点になっている
ということなんです。


そう思うとこちらも否定しづらい。笑

でもあえて正直に言います。
【「マジック」という芸能のレベルは明らかに下がりました。】

今は誰でも発信者になれる時代。
覚えたマジックを精査せずにSNSにあげてしまう人が増えたのもまた事実。
そしてSNSに上げたという行動が、
直接人にマジックを見せるハードルを下げてしまっている気がします。


とはいえ、僕がコンテストに出ていた頃も
「近年のコンテスタントはレベルが低い」なんて
コンベンション常連おじさんに言われたことがあります。

たぶんYoutubeがなくても起きてたことなんですよね。笑


じゃあ種明かしはいいのか?悪いのか?

結論から言うと、【ぼくは「よくない」と思っています!】

決して「悪い」とは言いきりません。

なぜならそこから新たなマジシャンが生まれ、
今までにないほどのスターになる可能性だってあるからです。

一概に「禁止」にしてしまって、極論今いるマジシャンが
世界で最後のマジシャンになってしまうのも悲しい話です。

かといって「師弟関係」のようなものは
パワハラ・モラハラに当たるかもしれないし、
それに耐えられる若者も現在では少ないのではないでしょうか?


ぼくが思うのは、「もっとやり方を考えるべき」ということです!

「師匠っぽい画像」がこれしかなかった。笑


・とあるディーラーの話

恩師から、昔いたマジックショップのディーラーさんの話を聞きました。
その話が大好きなんです!

そのディーラーさんは、
【なかなか教えてくれない】人だったそうです。

ある人がミリオンカードをしたくてショップを訪れました。
「ミリオンカードしたいんですが・・・」
「じゃあこのトランプを買ってくといいよ。」
お客さんは言われたままにトランプを1組買って帰りました。

後日、またそのお客さんが来ました。
「このトランプ、滑りが悪くて全然きれいに開かないんですけど・・・」
「そりゃそうだ。トランプってのは汚れないように
 表面をコーティングしてある。
 一回洗濯機にかけるときれいに取れるよ。」
お客さんは家でトランプを洗濯しました。
シワシワのビチャビチャになりました。笑

「あのー、洗濯したらシワシワになったんですけど・・・」
「洗濯機が強すぎたんじゃないか?
 もう1組買っていきな。次は手洗いでやってみるんだ。」
お客さんは新しいトランプを手洗いしました。
シワシワのビチャビチャになりました。笑

「あのー手洗いもダメだったんですけど・・・」
と言いながらもう1組新しいトランプを買いました。

するとディーラーが
「よほどミリオンカードがしたいんだな。
 じゃあ本当のやり方を教えてやるよ。」
といって、ついに正しい方法を教えたのです。

このディーラーさんは、そのお客さんが
・遊び半分でマジックをやりたいだけなのか
・本気でミリオンカードを学びたいのか
を見極めていたんです。

あなたがこのお客さんだったらどうですか?
最終的にミリオンカードという演目をめちゃくちゃ大切にしますよね!

タネにたどり着くのが大変な方が、
人はタネを大切にするのではないでしょうか?

少なくとも、大変な思いをして手に入れた秘密を
簡単に外に漏らしたりはしないでしょう。

近年の「種明かし」で得た知識が簡単に共有されてしまうのは、
ここが原因かもしれません。


・TAKKiの実体験


どうしてマジシャンになったのか?

それを聞かれるたびにぼくはこう答えてます。

「小学校1年生の時に『ハリーポッター と賢者の石』
 が公開されたんですね。信じるじゃないですか?!
 ずった待ってたんです、ハグリットが迎えにくるの。
 でも全然来ないんですね。笑

 それ依頼ずっと不思議なことが大好きでマジックも
 やってたんですが、本格的に始める方法がわからなかったんです。

 でも中1の時に、
 たまたまサッカーのコーチがマジックの専門店に連れてってくれて、
 そこにあるのはずっと憧れてきた道具たちでした!
 そこから一気に人生が変わった気がします。」

用意してるからといって嘘じゃないですよ?笑

ぼくは「たまたま」ショップに連れてってもらったから、
本格的なマジックを学ぶ方法を知れたんです!

これがなかったら、きっとマジシャンになれてません。
だってなるアテがないんですもん。笑


こう聞くとポジショントークに聞こえるかも知れませんが、
それくらいの「狭き門」でもいい気がするんです!

ぼくが今マジシャンじゃなくても、

・運命的な出来事をきっかけにマジシャンになった人
・Youtubeでマジックを勉強してマジシャンになった人

では、どれだけ努力をしていても
やっぱり前者に夢があるし応援したいと思ってしまいます。

また前者の方が、「タネを大切にする」という点においては
強く徹底できると思うんです。

なぜなら、何を学ぶにも「お金」をかけているから。
努力の量も違うはずです。

あくまで一般的な話ですよ!

「マジシャン が量産される世界」より、
「狭き門を通ったものだけがマジシャンになれる世界」の方が
レベルも高く、文化としても成長しやすいと考えています。


かといってYoutubeで学んだ人を否定してるわけではないですよ!
マジックを好きになったからにはみんな仲間!
集まれーーーー!笑


・種明かしの「種類」


一概に「種明かし」といってもその形は様々です。

・テレビ
・Youtube
・SNS
・レクチャーや教室
・失敗、構成不足

・テレビ、Youtube、SNS

これらは、時代の産物です。
これから時代が進むに連れて、新しいメディアが生まれてくるでしょう。
Web 3.0なんてどうなることやら・・・

新しいメディアが登場するたび、皆が使い方に困惑するわけです。
そしてそれがわかった頃には、すでに浸透している。

とっくの昔に種明かしYoutuberが出てきているわけです。

だからこそ、新しいメディアが出るときには
マジシャンとしてのガイドラインを
ある程度決めておく必要があるのではないでしょうか?

まぁ「誰でも使える」のがネットのいいところなので、
「マジックリテラシーが低い」人をどうすることもできない。
現実的ではないのかも知れませんが、
「明らかに常識に反している!」という明確な基準があれば、
そこから学んでマジックが好きになった人も
軌道修正くらいはしてくれるでしょう。

冒頭のツイートを勇気を出して投稿してみただけで、
これだけの多くの方が共感して、それを発信してくれたんです。

やる価値はあると思います!


もうWeb3.0、NFTの時代はそこまできています。
いち早く情報を手に入れて、一緒に対策を考えていきましょう!
1人ではめちゃくちゃ難しいから、誰か相談相手になって!笑

ぼくは『NFTの教科書』という本で学びました!

普通にWeb3.0めっちゃ面白いですよ。

↑無料でオーディブックで聴けるみたいなんで、
無料のうちに勉強しちゃいましょう。笑


・レクチャーや教室

ここはぼくは問題ないと思います。

参加者が全員「学ぶ気」があるからです!

プロを目指すような方向けなら上級のことを教えていいと思うし、
子どもたちなら「プロの秘密」を避けてレクチャーすることで、
マジックの世界の入り口を見せてあげるのはとてもいいことだと思っています。

ただ注意しなければならないのは、
「参加者本人の負担が無料の場合」です。

・主催者が払っている
・ボランティア
・親が払っている

などなど、この場合参加者にとってのタネは
Youtubeでタダで手に入れたのと変わりません。

強く「タネの大切さ」を伝える必要が出てきます。


ちなみに個人的には「マジック教室」がめちゃんこ得意です。
文化庁の事業で6年間ワークショップを続けてきました。

そしていろんな参加者を見てきたがために、
やっぱり「タネの大切さ」を伝えるのは非常に大事です!!


マジック教室のやり方はこちらにまとめてありますので、
参考にしてみてください。

そしてキャンペーンの宣伝もはさみます。笑


・失敗、構成不足


ここめちゃくちゃ伝えたいです!

かなり見落としがちなんですが、
失敗や構成不足も充分に種明かしです!!

失敗はみんなわかるとして、
「『構成不足』とはなんぞや?」と思う方も少なくないでしょう。

多くのマジシャンが気付いていないが、最も厄介なパターン。
それが「タネが想像できたパターン」です。

たとえば、

「コインが・・・消えました。」
「いや反対の手見せてよ!」

これってれっきとした「種明かし」ですよね?!

観客が「本当に消えた」と感じるマジックなのか
「消えたように見えるだけ」と感じるマジックなのかの
区別ができていないと、こういうことが起こります。

これは、
どういうときに「本当に消えた」と思われるのかを
マジシャン自身が理解できていないゆえに起こるのです。


前日の記事でいう、
「考えたらわかること」を考えてない結果生まれてしまいます。

マジックを演じている最中でも、
知らずのうちにただの「種明かしショー」になっている可能性
これを視野に入れてみてください!


・TAKKiの思う「種明かし」がよくない理由


さて、ここまで長々と読んでいただきましてありがとうございます!

最後は、「ぼくが種明かしをよくないと思う理由」をお話しします。

今まで書いてきたこともそうなんですが、
もっとシンプルな理由があるんです!

それは・・・

「マジックの面白いところはそこじゃないから」

マジックの楽しいところって、
「どこかに種があるはずなんだけど、わからない・・・!」
っていう葛藤にあるんじゃないでしょうか?

少なくともぼくはそう思っています!

つまり、
「種明かしは観客の楽しみを奪う行為」だと思っているんです。

これは、マジシャンとしてだけでなく
いちエンターテイナーとして
いち人間として見逃すわけにはいかないのです!

みなさんも自分の楽しみを奪われたら嫌ですよね?

でもマジックってまだまだ普及してないんです。
だからみんな「マジックの楽しさ」なんて知らないんです。

知ってるのは、
「タネを使って不思議なことを起こす」くらいなんです。

そりゃあみんな種明かしに興味を持ちますよ!

だからこそ、演じるたびに1人1人に
マジックの面白さを伝えていくのがマジシャンの仕事
だと思っています!


どうかみなさんも、
「自分にできること」は何か?
を一度考えてみてください。

「マジックを面白く演じる」だけでも、
充分に「種明かし」に対抗する手段になり得る。
ぼくはそう思っています!

もっともっと多くの人が
「マジックの『本当の面白さ』」を楽しんでもらえる日を
心待ちにしています!!


もし今回の話が面白いと思って頂いたら、僕のSNSのフォローをお願いします!
積極的にでも、ゆるくでも絡んでくれると嬉しいです!

・Twitter:@magictakuki
・Instagram:magiciantakki

他にも、「こんなことが知りたい!」などリクエストがあれば
コメントで教えてください!


本日のオススメ記事


記事の中でも紹介しましたが、
文化庁の事業で6年間ワークショップを続けてきた末に辿り着いた
「マジック教室の作り方」を記事にしました!

期間限定で
通常4,980円 → 1,980円で発売しております!

Twitterのプレゼントキャンペーンもぜひご応募ください!!

【ここだけの話、
 無料部分だけでもかなり価値のある内容になってます・・・!】

https://note.com/takkimagician/n/nd6e62e0d6bbf



経験を効率的に知識に変えるには?

あなたの経験を知識に変えてくれるもの、それは「知識」です!
一見ムダに見える知識でも、経験を拍子に
「あれってこう言うことか!」とつながる瞬間があります。

「知ってる」ってとても重要なことです。

知識が経験の解像度を上げてくれます

僕自身も、コロナ渦に勉強をしたおかげで自分のパフォーマンスや
理論の解像度が格段に上がりました!

ぜひ、手品以外の知識も身に付けておきましょう!
そしてこの本は、人間の認識や理解が
「どれだけ間違った方向に飛びつきやすいのか」ということが
詳しく解説してあります!
せっかく得た経験を、間違った知識と結びつけてしまったら
めちゃくちゃもったいないです。
この本を読んで
せっかくの経験を、今後も使える正しい知識に変えていきましょう!

今回も参考になれば幸いです!
それでは!
TAKKi


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