歌劇「ラ・ボエーム」(プッチーニ)
いらっしゃいませ。
ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。
さて、"本日のオススメ"は、プッチーニ作曲の歌劇『ラ・ボエーム』です。(数字は20-20。名曲解説全集第20巻P19)
ジャコモ・プッチーニ先生。1858年-1924年(65歳)の、イタリアの作曲家でしたね。前回は、歌劇『修道女アンジェリカ』の回でご登場でした。
プッチーニ先生は、12作のオペラを残しています。
前回の歌劇『修道女アンジェリカ』は、亡くなる6年前、3部作自体は、未完で終わった『トゥーランドット』の前に書かれた、プッチーニ先生が完成させた作品としては、最後の作品群でした。
本日の『ラ・ボエーム』は、オペラを書き始めて4作目。
オペラ1作目である『妖精ヴィッリ』は、1幕もののオペラ作品コンクールに出品した作品。入賞はできませんでしたが、のちに舞台化され、出版社社長のリコルディの目に留まり、2作目を依頼されます。
2作目の『エドガール』は、失敗。のちに改訂版を上演しますが、現在の上演状況をみると、やはりイマイチだったのでしょうか。
3作目の『マノン・レスコー』は、大成功。この成功をもって、国際的なオペラ作家の地位を築きました。
そして4作目となる本日の曲『ラ・ボエーム』の制作となります。
38歳ころの作品です。
初演の指揮は、かのトスカニーニ先生。
初演は、『マノン・レスコー』ほどの成功ではなかったようですが、上演を重ねるごとに人気が高まり、最高傑作までのぼりつめます。
パリに住む芸術家の日常生活・自分と仲間についてかき集めた、アンリ・ミュルジェール先生の戯曲・小説『ボヘミアン生活の情景』を下敷きに制作しました。元の作品が筋書なしに集めたものだったため、作品として筋を通していくのが難しかったようです。
<登場人物>
ロドルフ: 詩人
マルチェッロ:画家
ショナール:音楽家
コッリーネ:哲学者
ミミ:お針子
ムゼッタ:女店員(マルチェッロの元恋人)
<あらすじ>
第1幕
パリの、ある屋根裏部屋に、4人の若き芸術家が暮らしていました。クリスマス・イブにもかかわらず、お金の無い4人は、暖をとることすらままならないため、詩人の原稿を燃やしてしのごうとします。
そんな時に、大家が家賃の集金に来ますが、渡せるものもなく、なんだかんだと追い返し、外へ繰り出すことになります。1人ロドルフォさんだけは現行の締め切りだと言って残っていると、階下のミミさんがローソクの火を借りに来ます。心臓の弱いミミさんはめまいを起こし倒れてしまい、気付けとして葡萄酒を飲ませます。
ミミさんは帰りかけますが、鍵をどこかに置き忘れたことに気づき、入り口で立ち止まると、ロウソクの火が消えてしまいます。ロドルフォさんの火も消えてしまい、2人で暗闇の中鍵を探していると、2人の手が触れ合います。ここでそれぞれが有名なアリアを歌いあげ、2人は親密になり、パリの街へと出かけます。
第2幕
カフェ・モミュスで先に待っていたメンバーと合流し、ロドルフォさんはミミさんをみんなに紹介します。そこに、マルチェッロさんの昔の恋人で、今は金持ちの老人の愛人になっているムゼッタさんが現れます。その金持ちに靴を買いに行かせると、ムゼッタさんはマルチェッロさんの胸に飛び込みよりが戻り、このグループの勘定をお金持ちにつけさせて、みんなで出て行ってしまいます。
第3幕
マルチェッロさんとムゼッタさんが働いている居酒屋。ミミさんが窮状を訴えにやってきます。聞けば、嫉妬深いロドルフォさんとのいさかいに疲れてしまい、ロドルフォさんとの愛の生活はもうおしまいだと言う。
一方、人お先にこの居酒屋に来ていたロドルフォさんは、ミミさんが病気であって、自分のような文房詩人と一緒では、命がもたない、とマルチェッロさんに話をしてると、ミミさんの泣く声が聞こえてきて、さようならの歌を歌い、別れることになります。
第4幕
元の屋根裏部屋に戻り、前と変わらない生活を送っていた4人。ロドルフォさんとマルチェッロさんは、恋人が忘れられずに仕事が手につきません。そこへ突然ムゼッタさんが現れ、ミミさんが死にそうなので連れてきた、と。一時は子爵のもとで生活をしていましたが、忘れられずにここへ来たといいます。ムゼッタさんは自分のアクセサリーを打って医者と薬を調達しに、マルチェッロさんと出かけていきます。コッリーネさんも外套を売りに出かけていきます。ショナールさんはきを聞かせて、外へと出ます。
2人になると激しく抱擁し愛を語り、昔を懐かしみます。しばらくすると、激しい咳がまた出始めたので横にすると、皆が戻ってきます。ミミさんは、ムゼッタさんが持ってきてくれたマフ(防寒具)を喜びながらも、眠くなったと目を閉じます。ショナールさんが、ふと見るとミミさんが既に息絶えていることに気づき、マルチェッロさんに告げます。ロドルフォさんは皆の様子がおかしい事に気づくと、ミミさんに駆け寄り、ミミさんが亡くなっている事に気付き、激しく「ミミ!」と叫びながらミミさんの体に伏し、幕となります。
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もう、書きながら、聞きながら涙が出てきます。
とんでもなくいい作品で、個人的には『カルメン』に次ぐ、大好きな作品で、何度全曲を繰り返し聞いたことでしょうか。
ラストの曲は、もう本当に…。
本日の音源は、所蔵の音源である、カラヤン・ウィーン国立歌劇場による1963年のライブ録音を聞きながら書き進めてきました。本当に名作、名演ですので、ぜひ一家に1セット。
本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。