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弦楽合奏と金管のための演奏会用音楽(ヒンデミット)
ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。
さて、"本日のオススメ"は、ヒンデミット作曲の『弦楽合奏と金管のための演奏会用音楽』です。(数字は7-185・名曲解説全集第7巻-P184)
パウル・ヒンデミット先生。1895年-1963年(68歳)の、ドイツの作曲家でしたね。
無伴奏チェロ・ソナタの回以来、2回目の登場ですね。
本日の曲は、『弦楽合奏と金管のための演奏会用音楽』。
『弦楽と金管のための協奏音楽』の方が一般的に知られているようです。
先生、35歳ころの作品で、ボストン交響楽団の創立50周年記念に、クーセヴィツキーの委嘱で作られた作品。
この頃には、すでにベルリン音楽大学の作曲科の教授職を務めており、この曲の作曲後4年後には、交響曲「画家マティス」の作曲と、いわゆる「ヒンデミット事件」が起こった、そんな時期です。
ヒンデミット事件は、ざっくりいうと…
ナチス的にはちょっと厄介者だったヒンデミット先生が、画家マティス(歌劇)の内容にいちゃもんを付け上演禁止にしようとしたところ、初演指揮のフルトヴェングラー先生が怒り、ヒンデミット先生擁護の新聞記事を発表した、という事件。
この曲の前に、作品42で『吹奏楽のための演奏会用音楽』を作っており、それから4年後の本日の曲と同じ作曲年に、『ヴィオラと管弦楽のための演奏会用音楽(作品48)』『ピアノ、金管と2つのハープのための演奏会用音楽(作品49)』が作られています。ちなみに本日の曲は、作品50。「演奏会用音楽」が一気に作られました。
2部形式で書かれています。解説によっては不協和音の話が出てきますが、きれいな不協和音です。コラール風の音の鳴らし方で、大変クリアに聞こえてきます。
ロマン派寄りの人たちからは進歩的と言われ、もっと進歩的人たちからは保守的だと。確かにこの時期は、12音技法の曲が出そろっており、アイヴズ先生も活躍しているような、そんな時代だとすると、とても良い音鳴らすな、という感じです。
後期ロマン派の香り。
ヒンデミット先生、良い曲たくさん書いてます。
本日の音源は、Hindemith performs Hindemithさんのチャンネルを視聴しながら書き進めてきました。ありがとうございます。
ヒンデミット先生、自作自演の演奏です。管弦楽はシカゴ交響楽団。最高の音源です。
本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。