使途の愛餐(ワーグナー)
ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。
さて、"本日のオススメ"は、ワーグナー作曲の『使途の愛餐』です。(数字は2-261・名曲解説全集第2巻-P261)
リヒャルト・ワーグナー 先生。1813年-1883年(69歳)の、ドイツの作曲家でしたね。
ワルキューレの回以来、2回目の登場です。
本日の曲は、『使途の愛餐』。
「男性合唱と大管弦楽のための聖書的情景」
男性合唱の作品です。
ほぅ、ワーグナー先生、男性合唱の曲を書いていたんですね。しかも4曲も書いています。
この4曲とも、ザクセン国王の記念碑除幕式、現王二世への表敬、ウェーバー先生の遺骸収納式のための機会音楽として、特定の時期に集中的に書かれています。先生、30歳ころの作品。ドレスデン時代の初期になります。
ここで一旦、この時期の先生の整理。
歌劇を書きたくてもなかなかうまくいっていなかった先生、そしてプライベートでは話題の事欠かない先生は、ロンドンへ逃げ出し、パリへ移り、失意のうちに故郷であるドレスデンへ戻ってきました。
『リエンツィ』を27歳ころに完成。当時いたパリでの上演が叶わず、故郷のドレスデンでの上演が決定し、29歳ころに『リエンツィ』は上演され、先生、ようやく注目される(良い意味で)存在になりました。
この成功を機に、ザクセン王国のザクセン国立歌劇場管弦楽団(現在のドレスデン・シュターツカペレ)の指揮者に任命されたのが、先生30歳ころのお話。
このころ、ドレスデンの合唱協会の指揮者にも選ばれ、この合唱団による演奏を想定して書かれたもののようです。
テクストは、ワーグナー先生によるもので、「五旬祭に集う信者たちが、天から降りてきた聖霊に満たされて、相互の交わりを大切にし、財産を棄てあらゆるものを共有にする使途的生活に入ってゆく場面」をもとに書きました。「使徒言行録」のペンテコステ(聖霊降臨)に基づくテクスト。
もともとは、純男声合唱のための曲が求められていたようで、4曲のうち、この曲だけが、しかもラスト1/3ほどのみ、管弦楽が入ります。
合唱にも、ワーグナー先生にも疎いのですが、管弦楽が入ると急にワーグナー先生っぽくなります。楽劇を聞いているような錯覚が。
基本的にはここで語られている内容は、ワーグナー先生がとても興味の強い内容だそうで、40年近くのちに、『パルジファル』として昇華されるようです。
かなり濃厚な曲に仕上がっています。
楽劇1本はちょっとアレですが、この30分ほどは、結構いい感じです。
本日の音源は、gioiellidellamusicaさんのチャンネルを視聴しながら書き進めてきました。ありがとうございます。
本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。
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