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ローゼンクランツ・ソナタ(ロザリオのソナタ)(ビーバー)

ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。


さて、"本日のオススメ"は、ビーバー作曲の『ローゼンクランツ・ソナタ(ロザリオのソナタ)』です。(数字は26-46・名曲解説全集補2巻-P46)


ハインリヒ・ビーバー先生。1644年-1704年(59歳)の、オーストリアの作曲家ですね。

幼少期の頃ははっきりしませんが、オルミュッツの司教のもとに奉職したのち、16歳ころから没するまで大司教のいるザルツブルクで、主にヴァイオリニストとして、また35歳以降は楽長として、音楽隆盛を牽引する活躍をしました。

特にその演奏技法の変革を行ったことで、重要な人物とのことです。すなわち、それまでのイタリア風の技法を発展させ、「重音奏法(複数の弦を同時に鳴らす)」「変則的調弦法(楽器本来の調弦法とは違う音に調弦する)」を最大限に活用していきました。


本日の曲『ローゼンクランツ・ソナタ(ロザリオのソナタ)』は、この時期のヴァイオリン音楽の特徴をよく表している作品ということです。

先生、32歳ころの作品。


『ローゼンクランツ・ソナタ(ロザリオのソナタ)』は、ヴァイオリンと通奏低音による器楽曲で、15曲のソナタで構成される曲集です。

その15曲が、「ロザリオの祈り」を題材にした15の銅版画による表題音楽になっています。そして多様な変則的調弦法が用いられているというこの2つが、この作品の大きな特徴です。

ロザリオの祈り=アヴェ・マリア(聖母マリアへの祈り)を繰り返し唱えながらイエス・キリストの主な出来事を黙想していく祈り。秘跡。

つまり、15の秘跡の1つずつが、各ソナタと対応しているわけです。


なので、この作品集のタイトルをわかりやすくすると、おそらく、

『「ロザリオの祈り」による15のヴァイオリン・ソナタ集』

になるのかなと。


以下、クラシック音楽♪徒然日記さんのブログ記事より引用させて頂きました!(ありがとうございます!!)

第1番「お告げ」
第2番「訪問」
第3番「降誕」
第4番「キリストの神殿への拝謁」
第5番「神殿における12歳のイエス」
第6番「オリーヴ山での苦しみ」
第7番「むち打ち」
第8番「いばらの冠」
第9番「十字架を背負うイエス」
第10番「イエスのはりつけと死」
第11番「復活」
第12番「昇天」
第13番「聖霊降臨」
第14番「聖母マリアの被昇天」
第15番「聖母マリアの戴冠」
(パッサカリア ト短調)

名曲解説全集的には、パッサカリア以外の15曲がこの曲集の構成だそうです。が、16曲で演奏されることが多いみたいです。


曲を聞いてみると、秘跡的な感じなのか、宗教的な感じなのかと言われればそんな感じはあまりしないのですが、ヴァイオリン・ソナタとしてはとても良い作品です。ビーバー先生、確かにヴァイオリンの名手だったんだろうなと。

この曲が、1685年組(大バッハ先生、ヘンデル先生、スカルラッティ先生)が生まれる前に書かれたものだと思うと、より作品の良さを感じるとともに、ビーバー先生を見直さないといけないと思いますね。



本日の音源は、上記クラシック音楽♪徒然日記さんのブログ記事の中でリンクされていた、harpsichordValさんのチャンネルを視聴しながら書き進めてきました。ありがとうございます。


本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。

またのお越しをお待ちしております。

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