ピアノ三重奏曲第1番ロ長調(ブラームス)
ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。
さて、"本日のオススメ"は、ブラームス作曲の『ピアノ三重奏曲第1番ロ長調』です。(数字は12-379・名曲解説全集第12巻-P373)
ヨハネス・ブラームス先生。1833年-1897年(63歳)の、ドイツの作曲家でしたね。
ピアノ協奏曲第1番ニ短調の回、クラリネット三重奏曲イ短調の回に続いて、3回目の登場です。
本日の曲は、『ピアノ三重奏曲第1番ロ長調』。
先生が21歳ころの作品で、作品番号は122番中の8番とかなり初期の作品です。実際には、初期の作品はかなり破棄されているみたいですが。
このころは、すでにピアニストとしても活動しており、ヴァイオリニストのレメーニ先生と共に演奏旅行にも出ていました。
シューマン夫妻ともお近づきになっており、作曲年である1854年にはそのシューマン先生が自殺未遂を起こした時には、いち早く駆けつけています。
ベートーヴェン先生と、当時親しくしていたシューマン先生の影響を受けつつ、ブラームス先生の色がしっかり出ている、そんな曲だったようです。
だったようです??
そうなんです、この曲は、晩年に改作されました。
しかも、57歳ころに、一度自信喪失により筆を折ろうとした(クラリネット三重奏曲イ短調の回をぜひ)、その頃のお話。
その意欲の増幅の中にあったのでしょうか、この青年ブラームス先生の曲を改作し、とんでもない名曲に仕立て直しました。
おそらく、この「仕立て直した」という表現が、我ながら良い表現のようです。
青年期に書いた主題は残されており、若々しい新鮮さを持っており、そこに成熟した大家が構成をし直して、より洗練されたものに仕立て直したわけです。
改訂版のお披露目は、ブラームス先生自身のピアノで行われました。
曲は、とてつもなく素晴らしい。
この後にオリジナルで作曲されている弦楽重奏曲としては、クラリネット三重奏曲とクラリネット五重奏のみです。この改作と同じ時期に書かれたであろう曲は弦楽五重奏曲。
ちなみに、最後のピアノ三重奏曲第3番は、この改作の5年ほど前に完成しています。ブラームス先生らしいというか、ぽいという感じがちゃんとします。
これらの曲と聞き比べてみると、やはり本日のピアノトリオは素朴で、それでいて瑞々しさを感じます。
シューマン先生、クララ先生との楽しかった日々を、青年ブラームス先生の頃に戻って楽しんでいるような、そんな感じ。おそらく、この時のブラームス先生は、21歳に戻っていたのではないかと思います。
なんとなく聞き流していましたが、改めて聞いて、とても良い曲を再発見したなと思います。
本日の音源は、Enchanted Wandererさんのチャンネルを視聴しながら書き進めてきました。ありがとうございます。
本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。
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