アルト・サクソフォーンと11の楽器のための室内小協奏曲(イベール)
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さて、"本日のオススメ"は、イベール作曲の『アルト・サクソフォーンと11の楽器のための室内小協奏曲』です。(数字は3-169・名曲解説全集第3巻P169)
ジャック・イベール先生。1890年-1962年(71歳)の、フランスの作曲家ですね。
母はパリ音楽院で学んだピアニスト。基本的な音楽の基礎は、母に学んだのでしょう。ただ、楽器としてはヴァイオリンがどうやらスタートのようで、4歳ころから始めているようです。
演劇も好きで、一時は俳優を目指そうと思った事もあるようですが、音楽の道へと進んできます。
10代後半は、ピアノ教師や伴奏者として生計を立て、のちに無声映画の伴奏もしていました。のちの映画音楽作曲に役立っています。
20歳ころには、パリ音楽院に入学します。ミヨー先生やオネゲル先生は同窓生とのこと。その後デュカス先生に教わります。
第1次世界大戦がはじまり、海軍士官として従軍します。
29歳ころには、カンタータ「詩人と妖精」で、ローマ大賞を受賞。
その成果として、のちに先生の代表作となる『寄港地』が作曲されますが、海軍の経験が生かされているんじゃないでしょうか!
『寄港地』が成功を収めたのが32歳ころで、その後先生の活躍が始まります。
フランス・アカデミーの院長やフランス国立歌劇場の監督なども歴任。
そんな先生が43歳ころに作った曲が、『アルト・サクソフォーンと11の楽器のための室内小協奏曲』です。
アルト・サックスですね。
通常使われているサックスの中では、ソプラノ・サックスにつぐ2つ目の音域を持つ楽器で、一応中音域の担当になります。
そもそも、サックス自体は1850年ころにはあるそうなので、そこそこの歴史がありますね。クラシック音楽の中で、特に早い段階で有効的に使われている代表曲としては、やはりビゼー先生の『アルルの女』でしょうか。
協奏曲は、かなり少ないみたいですね。
そんな曲を、イベール先生、書きました。
音色、とても良いですよね。
先生、先見の明あり。
先生、フランス音楽の伝統である、軽快さ、簡潔さ、鮮明さを受け継ごうと努力し、新古典主義のスタイルに取り込んでいきました。
まさにそれを凝縮したような曲と言っても過言ではないのではないかなと思います。
大変心地良いですね。
本日の音源は、コチラからお聞きいただけます。
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