クラリネット協奏曲(コープランド)
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さて、"本日のオススメ"は、コープランド作曲の『クラリネット協奏曲』です。(数字は10-259・名曲解説全集第10巻P256)
アーロン・コープランド先生。1900年-1990年(90歳)の、アメリカの作曲家ですね。
ヴァイル(ワイル)先生と同じ年の生まれで、前年にはプーランク先生、翌年にはロドリーゴ先生が生まれている、そんな時期の方です。
ある程度裕福な家庭に生まれました。ニューヨークです。
14歳からは本格的な個人授業を受け始めていましたが、新しい音楽を求める気持ちが強く、ジャズに興味を持つようになりました。第一次世界大戦が終わり、ジャズが流行の音楽になっていた、ちょうどその頃と重なるようです。
ただ、21歳ころに、一旦パリへ勉強に行きます。この頃のパリは、ラヴェル先生やミヨー先生がまだ活動している時期で、新しい音楽を吸収してきました。
アメリカに戻ると、アメリカ音楽(特にジャズや民族音楽)を取材・研究し始め、のちに『ビリー・ザ・キッド』『ロデオ』『アパラチアの春』として結実していきます。
ちなみに、歴史の教科書に出てくる「世界恐慌」の真っただ中に生きていたコープランド先生。やはり、作曲だけでは生活は厳しかったようで、教師や執筆などの仕事をしつつも、演奏会や音楽祭を主宰するなどの活動も行っていきます。
そんな状況と、コープランド先生の作風が、「アメリカ音楽」を形作っていきます。
なるほど、だからかもしれません。コープランド先生を評して、アメリカ音楽の代表者のような表記が出てくるのは。
同じような時期に、ガーシュウィン先生がいますね。コープランド先生はガーシュウィン先生と違って、割とクラシカルな作品を作っています。ガーシュウィン先生は、圧倒的な劇音楽の大家ですね。
とはいえ、クラシカル過ぎる感じはなく、新古典主義、ジャズ、アメリカ民族音楽、十二音技法を用いた音楽を作るなど、なかなか前衛的だったり、アメリカの田舎風の音楽だったりを、うまく融合した音楽を作った方でもあったのでした。
後半生は、指揮活動を始め、作曲よりも指揮活動で生涯を終えていきます。
今でも演奏される機会が多いのは、第二次世界大戦前の作品が多いようです。
そんな先生が戦後の50歳ころに書いた作品が、本日の曲『クラリネット協奏曲』です。
ジャズ・クラリネット奏者で、「スウィングの王者」と言われたペニー・グッドマン先生の依頼で書かれた作品。
全2楽章構成構成。
1楽章は、シベリウス先生やヴォーン=ウィリアムズ先生みたいな、なんとも雄大な感じです。そのまま緩やかに時間が過ぎるのかなと思っていたら…
2楽章は、急に活発に。ジャズ風なのか、アメリカ風なのか、アメリカ民族音楽風なのかはわかりませんが、間違いなくコープランド風ですね。リズムだったり音の飛び方だったり。これがジャズなのか??
1つ言えるのは、とても面白い曲だという事です。
これはリピートして聞きたい曲ですね。
本日の音源は、タラス・デムチシン指揮者さんのチャンネルを視聴しながら書き進めてきました。ありがとうございます。
本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。
またのお越しをお待ちしております。
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