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【検証】すべての志望動機はうそである。
『講釈師見て来たような嘘をつき』
意味:講釈師がまるで自分で見てきたような口ぶりで、政談、軍記、かたき討ちなどを語るさまをいう。
すばらしい話芸ですよね。ちなみに新明解国語辞典によると「講釈」とは「講談の旧称」とあり「文章や語句の意味をわかりやすく説明すること」という説明もある。
となると「講釈師」には、本家本元の講談師はもちろんだが、講師なども入るかもしれぬ。わーい。そしたら「自称・人気宅建講師」のワタクシも、講釈師の仲間入りだ。
でね、ワタクシも講釈師の端くれ、見てきたような嘘が巧みです。
たとえば、本を読んでなるほどと合点した内容を、さも自説のように嘘をつき。
1.他人の人生を生きてはいけない
副題が「人生が変わるシンブルな文章術」という『読みたいことを、書けばいい』という書籍がありまして、たまに読み返して勇気を自己培養しております。
さすがベストセラーだけあって、笑いながらもなるほどなーと合点する内容がてんこ盛りです。
そんなわけで、この書籍に書いてあることで合点がいった内容を、ついつい自分なりにアレンジして授業に盛り込んだり。すると愉快でいいあんばいのトークになるんですね(←と、自画自賛・笑)。まさに「見てきたような嘘をつき」です。
とくにね、大学生向けの授業とかね。某大学で宅建講座を引き受けていたとき、まぁ本来だったら宅建受験講座だけしゃべってりゃいいんだけど、学生の関心というか心配事が「就活」だったりするので、話の展開がそっちにいったりする。
でね、ワタクシもですね、ついつい余計なことを講釈したいわけだが、はいそうです、就活なんてロクにやったことない。バブル全盛期の私大文系だったから、就職課で配布する資料に付いているハガキを切り取って「会社案内(パンフレット)を送れ」と請求すれば、商品券も同封だ。それが就活だ。
若い衆のみなさん、バルブ世代から得意げに、そんな与太話みたいなこと聞くでしょ。まるで都市伝説だ。
バカバカしい。
あはは。
実話だ。
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とはいえ、やはりワタクシも講釈師としての血が騒ぐから、彼らの最大の関心事「就活」をネタにして「パパン、パン、パン、パン」、一席やりたい。
そこで頼るのが、この書籍だ。
P.113からの「他人の人生を生きてはいけない」という章に「文章術コラム②履歴書の書き方」というのがあって、抱腹絶倒。
〈就職活動では。2つしか聞かれない。「おまえはなにをやってきたんだ」と「うちに入ってなにができそうなんだ」、この2つだけだ。これをよく「自己紹介」と「志望動機」と呼ぶが、その言葉が誤解のもとだ。それを説明しよう〉
と、とても痛快だ。
2.すべての志望動機は嘘である
おもしろいので、以下、一部引用します。
【すべての志望動機は嘘である】(P.119)
先に「志望動機」の変な点について述べよう。よく例に挙がる志望動機の書き方は、
「御社に成長性や魅力を感じ」
というものだ。これがいきなりおかしい。そんなに成長性や将来性を感じるのであれば、入社なんかせずに、株を買ったほうがいい。
(中略)
「特定の企業の志望動機には具体的な根拠が必要で、どれだけ企業研究をしているかが重要です。徹底的に調べて問題点をズバリ指摘すれば、熱意が伝わります」などと教える本もある。
しかし、
「御社の執行役員の榊原さん、3期も業績が上向いてませんよね。更迭すべきです。それと常務の笹本さん、女性関係が危ないです。取締役会で退任してもらいましょう」
などと面接でズバリ指摘する学生、どこの会社が欲しいのだろうか。調べすぎだろう。
「その会社でキミがしたいことを言いなさい。夢を語りなさい」という就職指南もあるが、そんなにしたいことがあるんなら、だれかに雇われるよりも自分で会社を作ったほうがいい。
あっはっは。
サイコーでしょ。
このあたり、ホント好き。
こういうふうに書きたいですよね。
そして〈以上からわかるように、あらゆる志望動機はうそなのである〉と続く。ではほんとうの志望動機はなんなのか。
「その会社の名前を知っていたから」
あっはっは。
ですよねですよね。
3.御社が私を必要としているように感じたので
著者のエントリーシートも公開されていて、これがまたすごぶるおもしろい。ぜひに書店で手にとって見られたし。笑えます。でね、そのエントリーシートに書いてある志望動機が、かっこいい。
「御社が私を必要としているように感じたので」
これにつきP.119で
〈「御社がわたしを必要としている」と書いた志望動機に関しても、ふざけているようだがまったく違う。「募集要項」を発表したのは、その企業のほうだ。わたしはそれを見て応募したのだから、間違っている点はなにもない〉
とある。なるほどたしかに!!
かくして、ワタクシもこちらの書籍の内容をアレンジしまして、つまり“おちょくり度”を強めにセッティングしまして学生に講釈したわけです。どうだったんだろうか。聴いている学生諸君はともかく、講釈しているオレはめっちゃ楽しかったので良しとしている。
いずれにしても、「おまえはなにをやってきたんだ」と「うちに入ってなにができそうなんだ」ということを、奥せず堂々と、自分の言葉(文章)で言えと。まさに「他人の人生を生きてはいけない」ですね。
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今回は以上です。
ワタクシも「読みたいことを書けばいい」をこれからも実践していきます。
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