読後メモ「豪商の金融史」(高槻恭朗著) 

 大同生命を創業した、江戸時代の豪商・廣岡家の江戸から明治期までの隆盛と没落の変遷を、新たに発見された資料をもとに研究者が分かりやすくまとめた啓蒙書。
 廣岡家の隆盛だけではなく、その背景となった大阪の先物市場の発達と大名貸事業、明治維新期の事業環境の変化と銀行業の没落の契機となった昭和恐慌まで記載されており、タイトル通り、廣岡家を通じて江戸から明治期までの日本の金融史の変遷の概要が理解できる内容となっている。
 ポイントを絞った内容のため、個別のトピックスに関する記述はややあっさりしているため、今後の関連書籍の発刊に期待する(2022年11月7日読了)。

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