日々是徒然とー11月上旬編ー

11月X日
実家に姪ふたりが来ているというので私も実家へ。
夕食を一緒に食べた。
アジとオジサンの刺身、鯖の味噌煮に田作り、と魚料理がてんこもり。
もちろん切り干し大根やかぼちゃの煮付け、野菜のスープなど副菜もたくさん。
それらがテーブルに並ぶのを見て、「ここでたんまりと栄養を補給していくぞ」と強く心に決めた。
そしてたんまりと食べた。
姪ふたりがあまりにもたくさん食べる姿を見て、私ももっと食べた。

11月X日
翌日の午前2時。
胸のあたりがつかえて苦しく目が覚めた。
仰向けになっていても苦しいのはなぜ、と思っていたら嘔吐。
明け方まで何回も嘔吐。
せっかくの魚が。
せっかくの栄養が。
その後、脱水症状からか脚がつるわ、体温調節がしっちゃかめっちゃかになって暑いと寒いを30秒おきに繰り返すわ、あらゆる関節が痛くなるわ、暑いがなくなったかと思ったら寒くてどうしよもなり、その後発熱。
何か体調に良からぬことが起きるかもしれないと思っていたけれど、本当に起きた。
私はスピリチュアルや占い、神仏や運とか天罰とかは一才信じない。
信じないのだけれど、ある悪事を働いた後には必ず体調が悪くなるのだ。
昨日も私は悪事をは働いたんだよな。
こんなことがもう10回くらいはあるだろうか。
今回が一番ひどかった。
これに懲りて、もう悪事を働くのはやめようかな、と思った。
あくまでも「かな」だけれど。
だって、どうしよもなく悪事を働きたくなる日があるんだもん。

11月X日
またまた裁判傍聴へ。
前回傍聴した常習累計犯窃盗の判決を聞きに来たのだけれど、そのひとつ前の公判が大変興味深かった。
傍聴人が3人しかいなかったから全く期待していなかったのに。
入廷した時は、車両保険が切れたまま運転することはいけないことだとわかっているのか、と問われていたからただの車検切れの裁判なのかと思ったら、レンタカーを盗んで暮らしていた人の裁判だった。
家を追い出されて住むところがなかったと言うから、盗んだレンタカーで車中泊して暮らしていたのかと思ったら、まさかのホテル暮らし。
レンタカーはホテルからホテルへの移動に必要だったとのこと。
「ホテルの宿泊費はどうやって稼いでいたのか」の検察官からの問いには、Xでわいせつ動画を販売していたとのこと。
そもそも家を追い出されたというのも、Xで銀行口座を売り、口座が凍結されたため家賃の支払いができなくなってのことだった。
傍聴を始めて知ったことは、犯罪を犯す人ってひとつじゃ済まないということ。
いくつも犯罪を重ねる人が多いということ。
ひとつ罪を犯してしまうと、生き続けるには罪を重ねないことには進めなくなってしまうのでは。
しかし、Xは犯罪の温床になってやいないか。
イーロンはそこらへんの対策はちゃんとやっているのだろうか。
次回が判決公判ということなので、絶対に来ようと思う。
同じくこの公判を傍聴していた傍聴マニアと思われるおじさんに「すごい被告人だったよねぇ。あのさ、判決の日を聞きそびれちゃったんだけど、わかる?」と訊かれた。
しばし、おじさんと談笑を楽しんだ。
次はお目当ての常習累計犯窃盗の判決公判。
被告人は髪の毛をきれいに束ねており、前回とは違ってきりっとした印象。
「吐くための食べ物にお金を使うのがもったいない」という理由で万引きを繰り返す被告人に懲役2.2ヶ月が言い渡された。
実刑である。
前回は、熱心に前のめりになって聞く娘さんの姿が傍聴席にあったが、今日はいなかった。
「尚、訴訟費用は被告人に負担させないこととします」と続いた。
支払い能力がない人は訴訟費用が免除されるらしい。
なんか納得いかないな。
本来なら懲役3年が妥当だが、1件の万引きということ、被害総額が2,999円と少額ということで2.2ヶ月に。
「生活費に不安があってという犯行動機は身勝手」と裁判官は言った。
だいたい万引の動機とはいつもそれなのだろう。
だけど、この被告人は違う。
摂食障害があって「吐くための食べ物にお金を使うのがもったいない」という身勝手極まりない理由での犯行だった。
「前回、娘さんが傍聴に来てましたよね。娘さんのためにも盗癖を直して下さい」と、そのことは覚えていたのに、動機が他件と混じってしまっている。
終始とても落ち着いた口調でわかりやすく話すし好感を持てる裁判官なのだけれど、私だったら他件の動機と混同している裁判官に判決を言い渡されたらずっとモヤモヤし続けるな。
あの場面で弁護士は何も言えないのかな。
言ったところで量刑が変わるわけでもないから、どうでもいいなかな。
このおばあさんはこれから2.2ヶ月を刑務所で暮らすのだ。
この後すぐ刑務所に収監されるのか、手続きである程度日をおいてからなのかわからないけれど、ある意味、今日が一般人と混じる最後の日なんだろうな。

11月X日
眼科へ。
前回、白目の膨らみに針を差したカ所の経過を診てもらいに。
再発してしまうことがあり、再発すると今度は手術になるが今のところは大丈夫とのこと。
しかし夜になってから、目に「ぐぐぐっ」という変な違和感があった。
洗面所の鏡で見てみるとやはり。
白目の膨らみが再発している。
今日病院に行ったばっかりなのに。
針を刺すだけでも耐えがたかったのに、手術は私には耐えられそうにない。

11月X日
体が重く、何もやる気が起きない日。
取り敢えず読みかけの本を読了した。
『帝国ホテルの不思議』(村松友視著)
今月、東京旅行に行くのでそのために勝手に設定した課題図書の1冊。
勝手な課題図書は3冊あり、これで全部読み切った。
『世界屠畜紀行』(内澤旬子著)は、品川駅前の中央卸売市場食肉市場に行くので。
行くと言っても内部には入れないし、建物の外観を見て、お肉の情報館という展示施設を見て、横っちょにある食堂でご飯を食べるだけなんだけど。
でも、1日で牛と豚、あわせて約2千頭が解体されているからか建物の外でも肉の脂のにおいが香ってくるらしい。
『ルポ新大久保』(室橋裕和著)は新大久保に行く予定があるから読んでみた。
『帝国ホテルの不思議』(村松友視著)は、帝国ホテルに行く予定なんて全くないけど読んでみた。
今までに何度も前を通ったことがあるあの建物の中は一体どんなことになってるのかな、と思って。

11月X日
朝から夕方まで研修の日。
1時間半の講義を4コマ。
ずっと座りっぱなしだから昼休憩くらい外に出たいのだけれど、休憩時間が短いから持ち込んだものをその場で食べるしかない。
手作り弁当の人が多い。
私もおにぎりと、冷凍食品や残り物を詰め込んで持ってきた。
あとは買ってきた菓子パンやコンビニのおにぎりを食べている人。
通常、この2種類だろう。
でも私の隣の人は違った。
まず、地雷也の天むすを頬張り始めた。
贅沢な人だな、と思った。
そしたら、天むすがまだ残っている状態で、ケーキを取り出した。
ハーブスのバナナクリームパイ。
天むすがまだ残っているのに、プラスティックのフォークでどんどん食べ始めた。
隣の席に置かれたハーブスの紙袋の存在には朝から気付いていた。
けれど、お弁当入れにその紙袋を使っているのだと思ってた。
まさか本当にケーキが入っているとは。
贅沢な人だな、と思った。
にしても、朝9時開始の研修では地雷也もハーブスも開店していない。
前日に買っておいたのか。
87人が参加している研修で一番、昼ごはんにお金を掛けたのは間違いなく私の隣の人だ。
調べてみた。
地雷也の天むす5個入りで821円。
ハーブスのバナナクリームパイが880円。
合計1701円。
めちゃくちゃ贅沢な人だな。

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