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介護業界の人手不足問題:現状と課題


こんにちは。今回は、最近よく耳にする「介護業界の人手不足」について、私の経験を交えながらお話しします。介護の現場で8年間働き、現在はケアマネージャーとして活動している私の視点から、この問題の実態と課題について深掘りしていきましょう。

1. 少子高齢化の影響

まず、避けて通れないのが少子高齢化の問題です。

  • 高齢者人口の増加

  • 若年労働人口の減少

この2つの要因により、介護の需要と供給のバランスが大きく崩れています。介護を必要とする高齢者は増える一方で、介護職に就く若者が減少しているのです。

ケアマネージャーの現状

私自身、ケアマネージャーとして日々奮闘していますが、人手不足の影響を強く感じています。

  • 募集をかけても応募が少ない

  • ケアマネージャーも高齢化が進み、身体的負担が大きい

  • 1人当たりの担当件数が多い(要介護の場合、30人以上)

特に、訪問の際の移動が大変です。自転車で1日に3〜7件もの訪問をこなすこともあり、暑い日、寒い日、天候の悪い日や坂の多い地域では本当に苦労します。

2. 高い離職率

介護業界の人手不足を加速させているのが、高い離職率です。主な要因として以下が挙げられます:

  1. 低賃金(徐々に改善はされているが)

  2. 身体的・精神的負担の大きさ

  3. 3年未満での離職が多い

身体的負担

介護の仕事は体力勝負です。例えば:

  • トイレ介助(車椅子からの移動)

  • ベッド上でのおむつ交換

  • 狭い空間での作業

これらの作業を繰り返し行うことで、腰や膝に大きな負担がかかります。私自身、体を壊さないよう筋トレや定期的な運動で体を鍛えていました。

精神的負担

  • チームワークの難しさ

  • 人間関係のストレス

  • 認知症の方への対応

特に、施設内での密接な人間関係や、時に厳しい言葉を浴びせられることもあり、精神的にタフな仕事です。

3. 採用の難しさ

労働条件の厳しさや介護職のイメージから、新規採用が困難になっています。

  • 若い人材の確保が難しい

  • 施設間での人材の奪い合い

同じ地域内で介護職員が施設や事業所を転々とする光景もよく目にします。

4. 労働環境の問題

人手不足が進むと、一人当たりの業務負担が増加します。これにより:

  • 休日出勤の増加

  • 休憩時間の確保が困難

  • 体調不良のリスク上昇

さらに、感染症(COVID-19など)や災害時の対応も求められ、休息を取ることが難しい状況が生まれています。

解決策の模索

これらの問題を解決するために、いくつかの方策が考えられています:

1. 労働環境の改善

給与の引き上げが最も効果的ですが、介護保険制度に依存している現状では難しい面もあります。自費サービスの導入など、独自の収益源を確保する工夫が必要かもしれませんが、制度的に難しい現状です。

2. IT技術の導入

記録業務の効率化などが期待できますが、導入コストの問題があります。小規模事業所では特に難しい課題です。

3. 外国人労働者の受け入れ

言語や文化の違い、教育システムの整備など、課題は山積みです。

4. 横のつながりの強化

同業者間での情報交換や協力体制の構築が重要です。例えば:

  • 定期的な交流会の開催

  • 災害備蓄品の共同管理

  • 合同研修の実施

しかし、時間的余裕がない現状では、これらの取り組みも容易ではありません。

まとめ

介護業界の人手不足問題は、単純に解決できるものではありません。少子高齢化、低賃金、厳しい労働環境など、複合的な要因が絡み合っています。

私たち介護職員は、日々のストレスを上手に発散しながら、この難しい状況に立ち向かっています。同時に、業界全体で知恵を出し合い、少しずつでも改善していく努力が必要です。

皆さんの中にも、家族や知人を介護している方、あるいは将来的に介護が必要になるかもしれないと考えている方がいらっしゃると思います。介護業界の現状をご理解いただき、社会全体でこの問題に取り組んでいく必要があります。

介護は決して楽な仕事ではありませんが、人の人生に寄り添い、支える尊い仕事でもあります。この記事を通じて、介護業界の現状と課題について少しでも理解を深めていただければ幸いです。

最後に、介護に携わるすべての方々に心からの敬意を表します。そして、この難しい時代を乗り越え、より良い介護サービスを提供できる日が来ることを願っています。


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