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あふれだすおはなし

21
ほっとするような文章を書きたい。
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#小説

「生命」

「生命」

「生きなきゃ、生きなきゃ」

わたしは食べる。

血や 肉や 実や 根まで

犠牲にする。

そうしてまで 大切な人生は あったろうか?

「生きよう、生きよう」

わたしは食べる。

大切な人生は なくとも、

些細な 人生が 大切なのだ。

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久々に短文を。

コメントくだされば嬉しいです。

ある日夢をみました。

ある日夢をみました。

ある日夢をみました。

ピンク色のゾウが水色の雲の中を

泳いでいるのです。

その時は、それに関して何も思わなかったのですが、

その夢はやけに 私の目の裏に焼きついていました。

私はゾウと雲とその風景を

紙に描いてみようとおもいましたが、

あんまりうまくいかなかったのです。

それから一ヶ月くらいたって、

私は疲れ果てていて、三日間も眠っていました。

三日も目が覚めないなんて びょう

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顔のない似顔絵描き

その絵描きには顔がない。

顔がないので顔見知りもいなければ

彼のことを覚えている人もいない。

「僕には顔がないから、似顔絵を描いて暮らしているんだ。

そうやって僕を憶えてもらうんだよ。」

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

ショートなショートでちょこっとずつ更新。

顔のない似顔絵屋

とある似顔絵屋と少女が出会う街角

似顔絵屋は遠い国から来たのだという。

少女は似顔絵屋の 顔がない ことを知る

隣に居ても、何度会っても顔を思い出せない。

似顔絵屋を思い出す手がかりは

首に下げた地球儀のペンダント。

ほかに誰もぶら下げていないような。

ある日、似顔絵屋に少女は

「自分の似顔絵を描いてほしい」とたのんだ。

そこで似顔絵屋は気づく。

少女の ”とある素質” に。

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僕は花の味を知っている。

僕は花の味を知っている。

゛僕は花の味を知っている。゛

善吉という男がいた。

善吉は一日ひとつ、「善行(よいおこない)」をしないと、

息がくるしくて堪らなくなる。

しかし善吉には、よいおこない というものが、

未だはっきり解っていない。

解っていないまま、善吉は、15歳になって、17歳になって、やがて19になり、

住み慣れた 緑と土の匂いのする街を出た。

そして大きな街へ住むことにした。ここでは「トカイ」と

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