Case2(カリフォルニアにいったことはあるか)
心がうわついて変わりやすいことを浮気というらしい、逆に、二人の人を本当に愛してしまったら?それも浮気というらしい。
言葉っていうのは、たまに知識じゃ表せない色んな意味を含めてる時がある。
だから面白いことも面白くないことも起きる。
そんなこんなで、Case1で振られた僕は昔仲良かった女性とホッピー通りで飲んでコトの顛末を話をしている。
「珈琲屋でもいいんだけど、入り口付近だとドアの開閉が多いから寒いよね」
という訳の分からない理由で、路上に出ているもっと寒い場所で冷たい酒を飲んでいた。
自分で言うのもなんだか悲しくて気が引けるが、友達は多くはないし、性格上大人数で群れるということが好きではない。
誇れるほどのことをしてきた訳でもない。
そう言ったことを全部ひっくるめて、飲んでくれるのが、君津という1個下の女性だった。
君津は先輩を立ててるのかよくわからないが、
俺の行動に対して、絶対に怒らずに肯定してくれる。
俺の味方でいることが原因で友達を失くしたこともたくさんあったと思う。それでも君津は笑ってた。
だから笑うしかなくて、お互い肯定し合うことしかできなかったのかもな。
「じゃあ先輩彼女いないんですか」
恋の始まりなんて、生活の中の些細な出来事の一つに過ぎないのかもしれない。
「彼女いないと聞くということは、俺と付き合ってくれるの?」
展開もロマンもへったくれもない。ただの馬鹿である。
「だから聞きました。付き合ってみましょうよ」
「えっ、あっ、じゃあ自分から言わせて、付き合ってください。」
「(笑)はい。お願いします」
お互いがダメなとこを肯定し合う。
こんなの外から見たら傷の舐め合いに見えたかもしれないが、
舐め合いながら成長することもあることを忘れてはいけない。
いつかはきっと終わることを知っているから、
未来を話して、
未来もいれるための約束をするんだよな。
11月も終わりを迎えていく、
今日は気温が年末あたりまで下がるらしい。
浅草の街を肩を組みながら歩きながら、
銀座線浅草駅近くにある、カリフォルニアというラブホテルに入る。
「カリフォルニアって言ったことある?」
「ないなぁ〜」
「じゃあ今日が初めてだ〜」
こんな愛なら痛覚もないよ、優しさしかないよ。
上手くやる必要もないし、辿り着く確信もないけれど、
きっと君となら少しくらいダサいくらいが丁度いいのかも。
あぁ君はいつでも変なやつだ。
君津って言う苗字も、
笑った時に後ろに仰け反る姿も、
何入るかよくわからない小さい鞄も全部変で、
全部好きかもしれない。
あんなに好きな人だった人が、
自分の生活の一部ではなくなって、
別のこんなに好きな人に変わってしまったのって、浮気なのだろうか。
時期によるんだろうな。
おかしいけど、言葉は変だから納得もする。
たまに怖くなる時がある。
でも大丈夫なんだろう。
きっと笑っていけるんだろう。
駄目なことを飲み込んでくれる大丈夫な人が目の前にいるから。
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