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第5章 日本橋川周辺の地域区分

 わずか5kmほどの日本橋川の周辺には、色々な歴史が積み重なり、東京の町の中で周囲から影響を受けながら、ここの性格を作り上げてきた。川には23もの橋が架かり、水辺とその周辺地域との接点としてその性格を特徴づけてきた。日本橋川とその周辺地域の歴史・警官の特徴をもとに、日本橋川周辺地域を以下のように地域区分した(図5-1)。

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図5-1 日本橋川周辺の地域区分(筆者作成)

1.ウォーターフロント再開発波及地区(豊海橋〜湊橋間)

 日本橋川下流部のこの地区は、三井倉庫の再開発や湊橋のリユーアル等に象徴されるような、これからの水辺空間を意識させる場所である。川の流路上の高架橋もこの区間だけは存在せず、他の地区と比べても開放感がある景観となっている。

2.歴史的な商業・金融の中心地区(湊橋〜新常盤橋間)

 日本橋を中心とする地域は、江戸時代から繁華街として栄えてきた。これは日本橋周辺に立地する百貨店や、「一石橋迷い子知らせ石標」などからも分かる。日本橋を中心としたその周囲には、日本銀行本店をはじめ東京証券取引所など商業・金融の中心地としての役割を担っている。こうした機能は、江戸時代からこの地に存在していたものであり、歴史の重層性をよく認識できる地区である。この地区は、日本橋川周辺で最もにぎやかで、かつ、地域と川との関係が密接している地区といえる。

3.歴史的な境界線を持つ日本橋川中流部地区(新常盤橋〜俎橋間)

 外濠の影響が色濃く残る地区である。日本橋川を境として右岸のオフィス・官庁街と左岸の商業住宅混在地域とにはっきり分けることができる地区である。この地区だけは、日本橋川の境界としての役割がはっきりしている。

4.出版・印刷関係の集中する日本橋川上流部地区(俎橋〜三崎橋間)

 背後に学生街を抱えるこの地区は、安い労働力と日本橋川の舟運が利用できたため、また、JR飯田町駅に近接しているため、多くの出版印刷業者が集中したと考えられる。

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