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ヘリ

子どもが赤ちゃんのとき、変な名前でものを呼ぶことがあった。上の子は言葉の発達が遅めだったので、三才くらいになっても言葉がめちゃくちゃで、もう忘れてしまったけど、同じ音で4つくらいのモノやヒトの名前になっていたのがあった(当時の僕らはそれでも会話できていた)。
下の子は姉がいるおかげで言葉の発達が逆に早く、同じ三才でもぺらぺらめんどくさいくらい達者に喋った。そんな息子が小さいころ、近所の公園で見つけた黒色に赤の斑点のテントウムシを「ヘリ」と呼んだ。なぜヘリなのかは不明。いわゆる赤いナナホシテントウではなく、黒色に赤い斑点なので、ちょっとだけ珍しく、でもたまに出会える。
あんまり深く考えず、親の僕らもヘリと呼んで、そいつを見つけたら息子に教えてあげて、息子が嬉しそうに喜ぶのを見ていた。
そして、息子が六才になった今日も同じ近所の公園でその黒い小さなテントウムシを見つけた。今や博学というか妙にマニアックな知識をひけらかすので、やや家族にもめんどくさがられがちになった息子だが、このヘリとの久々の再会に喜んで写真を撮ってくれとねだった。なんでヘリ?と思いながら一応パシャリ。

ヘリって不思議な名前だよな、とこのnoteを書くために、黒いテントウムシの名前を調べていて、ちょっとゾッとした。
テントウムシは、同じ種類でも背中の柄は色々だったり、同じ柄でも種類が違ったり、結構ややこしいみたいだ。黒いテントウムシの場合、代表的なもので、ナミテントウ、ダンダラテントウ、ヒメアカホシテントウがある。画像を見る限り、ほとんど違いがわからない。また、テントウムシにそっくりな虫として(それもまた違いが全然わからない)、ヘリグロテントウノミハムシという虫もあった。ヘリってもしかして。。。
息子がヘリと初めて呼んだのはたぶん二才くらい。たしかに本や動画で得た知識を驚くくらいよく覚えている彼だけど(六才にして父の知らない恐竜や虫のことをよく知っている)、まともに喋る前からヘリグロテントウノミハムシを知っていたのか。

なんで、ヘリなんだろうとずっと思っていたけれど。明日また聞いてみよう。

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