コロナ療養中①マッチングの神様
先週水曜日、ずいぶんとうなされてあんまり眠れなかった朝、起きると明らかに頭がぼぅっとしていた。熱を測ると38℃。めったに熱が出ない体質なので、これはマズいことになったな、と確信した。
近くの医者で検査をした。インフルエンザなら最悪と思ったら、インフルではないと、コロナでした、と。まだあるとは聞いていたけど、近くにコロナになった人なんて全然いなかったから、狐につままれたような気分だった。でも、まあ諦めもつく。やたらと高いクスリを薦められて、金額で悩むなら買えというモットーに従って買う。
来週の月曜日いっぱいまで療養期間。
ということで、4畳くらいの子どものおもちゃ部屋兼寝室にこもる生活が始まった。
コロナは2度目。
1度目は忘れもしない、大きな事業コンペの提案書づくりでドタバタしていた去年の7月、こんな忙しい状態だと楽しみにしていたセレッソ対パリ・サンジェルマンの試合はリアルタイムで観れないなと諦めていたときに感染した。寝室で一人だったけど、リアルタイム観戦できたので、グッドタイミングだったとコロナの神に感謝した。
そして今回は。
実は先週水曜日から1週間心待ちにしていた番組があった。だが、名古屋出張が入っていたので半ば諦めていたのだが、この感染によってしっかり観ることができた。
水曜日のダウンタウン、名探偵津田の年末スペシャル。まさかこのために感染したとなれば、えらい顰蹙を買いそうだけど、とりあえず観れた。そして、めちゃめちゃ面白かった。感謝しちゃダメだけど、ありがとう。ありがとう、名探偵津田。
そして、飯を食ってはクスリを飲み、寝て、たまにAmazonプライムやYouTubeの動画を観て、少しだけ仕事して、また寝て、みたいな生活。
一日があっという間に過ぎていく。
何も生み出していない、垂れ流していくような日々。色々な仕事の予定をとばして、自分不在で色んなことが進んで、だけどたぶん大きな影響はなくて、自分という存在の価値がみるみる小さくなっていく。そんなものだと知っていたけれど。
うつで休職している会社の後輩の気持ちが少しくらいは分かったような気がした。戻れなくなるだろうな。戻ることに相当のエネルギーが要るだろう。
ちなみに、Amazonプライムで観ているのは、「マッチングの神様」というオーストラリアの恋愛リアリティ番組。
結婚願望のある男女が、専門家の手によってマッチングされる。結婚式当日にバージンロードで初めて相手に会う。原題は、「初対面で結婚」という。
バチェラーシリーズが大好きなのだが、それとはまったく違う印象だ。バチェラーあるいはバチェロレッテは一人の異性を争い、結婚相手を求めるものだが、こちらははじめに結婚してしまっている。
8組くらいのカップルが出てくる。専門家によるマッチングは見事。よくもこんなに、というくらいうまくハマったカップルが出来上がっていく。そのまま意気投合して、愛を育んでいくカップルもあれば(それが多い)、中には問題を抱えて、不和の生じるカップルもある。
海外の番組らしく、なかなか描写がエグい。番組で生まれたカップルがリアルに肉体関係を結ぶ。夫婦だから当然なのだが、番組の企画で出会って一日目ですよ、と考えたらなかなかすごい。だが、参加者たちは至って真剣だし、マッチングの妙もあって、とても自然でもある。
不思議だが、結婚するようなカップルというのは会ったそのときから、まるで何年も前から一緒にいたような錯覚に陥る(のが多いと信じている)が、それがまさに再現されている。
不和に陥るカップルの原因は様々だが、だいたいはコミュニケーション不足が問題を大きくしていく。例えば、あるカップル(ハリソンとブロンティ)は、結婚式の最中に新婦が友人から新郎には別の女がいると告げ口されて、不信に陥っていくが、これも本人に正面から聞けば、それほど大きな問題にならなかっただろう。男は男で、よくモテてきた男らしく、女が取り乱したり、泣いたりしても謝らないし、動じない。
男は女が感情的になればなるほど、むしろ冷めていくものだと思うが、あれはある意味ロールプレイングみたいなものなので、同じくらい熱くならないとコミュニケーションにならないのだ。だが、それに付き合える男はほとんどたぶんいない。
このカップルの描写では、全体的に浮気者の男が悪者みたいに扱われるが、事実だけを捉えると男はたしかに悪くない気がした。新婦と出会ってから浮気をしたわけではないし、そもそも彼にしては言いがかり以外何物でもない。
女に直接、性的な魅力を感じない、と言ったのも、本来そんなことを言うべきではないとは思うが、変な誤解を与えるよりもその事実から積み上げていきたいという釈明、決意表明だとすれば、それほど変じゃないかもしれないと思った。たしかにデリカシーがないが、むしろ女のほうが取り乱して、自分の主張ばかりで、ワガママじゃないかと思った。どちらに共感力があるのか、このへんは男と女で見る側も意見が分かれるところだろう。
もう一組、不和が生じるのは、若いちょっとパンクな性格のふたり、ジェシーとクレア。これも番組ではジェシーの子どもじみた性格が一方的に悪者として描かれている。だが、男として、ジェシーの気持ちも分かる。たぶん、この番組なんかを観るのはほとんどが女性なのだろうし、そういう意味では女性目線でまとめられているのだろうけど、実際クレアみたいな女の人が苦手な男は多いと思う。かくいう私も星座占いとか血液型性格診断とかで、人を決めつけてくる人間は大嫌いだ。
空港や機内でちょっと周りに迷惑なくらいテンションが高くなった嫁に、静かに、と注意することも、初めて会って結婚した妻が自分の苦手な星座占いとかスピリチュアルなことを言い出してゲンナリするのも、とても共感する。分かる。
それを大人に対応できなかったジェシーはたしかに子どもじみているけど、すべてがすべて男側が合わせる義理も必要もないだろう。女も大人になるべきだ。なんせ、生まれた月で性格を決めつけるなんて、とても失礼な話なのだから(このへん理解してもらえないことが多い)。
とはいえ、多くの夫婦はマッチングどおりにうまく進む。こんなこというと浅はかだけど、ロマンチックだ。不和が起きたほうが番組的にはオイシイのかもしれないけど、とてもうまくいって、ラブラブな新婚生活を過ごすカップルを観ていて、とてもいい。こういう表現しか思いつかないので、そう表現するけど、「キュンキュン」する。
43歳のおっさんが言うことじゃないけど。。
ということで、今日はエピソード8。バチェラーシリーズに比べると、長いのよ。