見出し画像

【ヒュージ・リーダーズ】 苦痛の王(獲物貫き、オボシュ) 【フレンドリー】

はじめに

皆さんこんにちは!
ここ最近いくつかの交流会に参加して、ヒュージ・リーダーズの盛り上がりを感じ、今後のコミュニティ発展への貢献と名刺がわりに自分が愛用しているデッキを紹介したいなと思います。

ダスクモーン:戦慄の館の発売によって多くのカードがヒュージに影響を与え、まさしくヒュージホライゾンと言った具合でデッキ作成意欲を掻き立たせてくれました。そんな中、自分の目を引いたのが今回紹介する《苦痛の王/The Lord of Pain》です。


デッキ

統率者と相棒

《苦痛の王/The Lord of Pain》

デスゲームマスター

統率者である《苦痛の王/The Lord of Pain》は一見わかりやすいテキストをしていますが、少々複雑なので簡単に図にしてみました。

状況としてはAさんが《苦痛の王/The Lord of Pain》を出してターンを終え、BさんのターンになりBさんがそのターン初めての呪文(1つ目の呪文)を唱えたシーンです。

苦痛の王の能力が誘発

この時、《苦痛の王/The Lord of Pain》をコントロールしているAさんはBさん以外のプレイヤーにBさんが唱えた呪文のマナコスト分のダメージを本体に与えることができます。

AさんはCさんかDさん、もしくはAさん自身を対象に取る

ここでAさんがCさんを対象に取ると、CさんにはBさんの唱えた呪文のマナコスト分のダメージが入ります。これが《苦痛の王/The Lord of Pain》の誘発の一連の流れです。
しかし、注意点が2つあり、それぞれメリットとデメリットになります。

  • Bさんのターン中にBさん以外が初めて呪文を唱えた場合
    この場合、《苦痛の王/The Lord of Pain》がさらに誘発します。仮にBさんのターン中にCさんが呪文を唱えたとすると、今度はCさん以外のプレイヤーを対象を取ることになります。つまり、《苦痛の王/The Lord of Pain》をコントロールしているAさんはさらにダメージを他プレイヤーに与えることができます。テキストにある1つ目の呪文というのは各プレイヤーが各ターンごとにかかるものになっています。

  • AさんとBさんの2人になった場合
    CさんとDさんがゲームから退場し、AさんとBさんの一騎打ちになった場合、Bさんが呪文を唱えるともちろん《苦痛の王/The Lord of Pain》は誘発します。そして、この時Bさん以外のプレイヤーはAさんしかいないので自身を対象に取るしかありません。つまり、《苦痛の王/The Lord of Pain》のダメージはコントローラーであるAさん自身に向かってくるのです。

まとめると、ターン中に誰かが動くと、それ以外のプレイヤーにダメージが飛び、強制効果なので1vs1になった場合は自身にダメージが飛ぶと言った感じです。
後半の部分だけ読むとリスキーな気がしますが、これはヒュージ・リーダーズです。デッキには土地以外マナコスト5以上のカードしか存在していませんから、基本5点以上のダメージが飛びます。ヒュージのライフが25点なことを考えると、無視できないダメージです。

能動的なアクションが多いヒュージで一度着地すれば、ほぼ確実に誰かのライフを削ることができます。動くと誰かがダメージを受けるが動かざるを得ないため、まさしくデスゲームマスターの如く他プレイヤーに足枷をし、じわじわと疲弊させていきます。

《獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercer》

相棒ルール正式版の方を採用

相棒はデッキ構築に制約を課すことで外部カードとして持ってくることができるカードです。通常の統率者でも利用されるシーンは少なく、ましてやヒュージ・リーダーズで採用されるケースはほぼないと思います。
というのも、ただでさえカードプールが限られているフォーマットの中でさらに制約を課すことは自分のやりたきことができず、妥協して似たカードを採用する必要がありゲーム体験の良さを下げる可能性があります。

しかし、今回《苦痛の王/The Lord of Pain》デッキに採用する形になりました。理由はシンプルでヒュージ×相棒というがまだ自分が試していないことだったからです。

相棒というシステム上通常よりも1枚多い状態でゲームに参加できるため、ゲーム開始時からデッキの開示情報と引き換えにアドバンテージを得ることに惹かれました。また、そもそも《獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercer》は相性が良く、《苦痛の王/The Lord of Pain》で飛ばすダメージを倍にすることができます。
”絶対必要”というわけではないですが、試した結果感触が良く、奇数のカードしか入れられないという制約も、これといって問題になることはありませんでしたので採用しています。

相棒を設定することで、それに目がいってしまい構築もダメージ倍増になっているかなと思いますが、実はそんなことはなくあくまでもコントロールという立ち位置で、勝つための手数を増やすという意味でも採用しています。

デッキコンセプト

《獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercer》の部分でも触れましたが、このデッキはコントロールで、《苦痛の王/The Lord of Pain》という自動火力発射装置を設置したら後は相手の盤面に干渉し、その間にライフを削り、最後にはコンボやダメージ倍増カードで一気に勝つデッキとなっています。

一、二番手であれば最速で《苦痛の王/The Lord of Pain》着地を目指し、三、四番手のときは盤面に一度干渉してから折を見て《苦痛の王/The Lord of Pain》を着地させます。

採用カードPick Up

  • 《Frenzied Gorespawn》

いまだになんと呼べばいいかわからない

デッキリストを見るといくつかヒュージで見たり、使ったことないけど大体こんなカードだよなというカードはありますが、この《Frenzied Gorespawn》をご存知の方は少ないかなと思います。というのもこのカードはカルロフ邸殺人事件 Ravnica: Cluedo Editionに収録されているもので、Cluedo Edition自体英語版しかないため日本語版が存在していません。テキストは以下になっています。

Frenzied Gorespawnが戦場に出たとき、対戦相手1人につきそのプレイヤーがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。それらを使嗾する。

1体以上のクリーチャーがあなたの対戦相手1人を攻撃するたび、ターン終了時までそれらのクリーチャーは威迫を得る。

mtg.wikiより

登場時にクリーチャーを最大3体まで使嗾することができ、さらに対戦相手が攻撃される場合威迫持ちにさせます。もちろん下のテキストは自分にも適用されるのでダメージを通しやすくなります。
《苦痛の王/The Lord of Pain》によって負荷をかけたライフにさらに追い打ちをかけ、ゲームを加速させてくれます。デスゲームマスター的には同士討ちをしてくれると助かります。《騒乱喰い/Havoc Eater》も同様の理由で採用しています。

  • 《薄暮の刻み獣/Dusk Mangler》

パッとしないけど使うと強い

多人数戦において各対戦相手に影響を与えるカードは重宝されます。特に《苦痛の王/The Lord of Pain》デッキにおいては、それをより顕著に感じます。デッキの性質上対戦相手から狙われやすくなるため、一対一の交換をし続ければこちらがジリ貧になってしまいます。そのため一対多の交換をして、こちらの優位性を保ち続けなければいけません。そういったカードを優先的に検討した結果《薄暮の刻み獣/Dusk Mangler》を採用しました。
《苦痛の王/The Lord of Pain》によって削れたライフをさらに削り、横並びする展開が少ないヒュージで盤面に干渉できるため、デッキとしてもまたフォーマットとしても噛み合いがあります。追加コストで《シャドーグランジの魔神/Shadowgrange Archfiend》を捨てると宇宙です。

  • 《囚人のジレンマ/Prisoner's Dilemma》

複雑なテキストだけど美しいデザイン

ゲーム理論において「囚人のジレンマ」という言葉が存在しており、お互い協力した方がしないよりも良い結果になることが分かっていても、協力しない者が利益を得てしまう状況ではお互いに協力しなくなるというジレンマのことです。
それを元にしたこのカードも各対戦相手がそれぞれに「黙秘」か「密告」を選択して公開します。その結果によって4点〜12点のダメージを受けることになります。
《苦痛の王/The Lord of Pain》のダメージによってライフ差が生まれている状況で、このカードを使うと各対戦相手が協力的なのかどうか推し量ることができます。コンボを狙っているのかや、今は守りに入っているかなど垣間見ることができ、まさしくデスゲームマスターらしくゲームをコントロールしている感覚を味わえます。《凶兆艦隊の荒廃者/Dire Fleet Ravager》は少し毛色が違いますがこちらのカードと同様に一気にライフを減らすことのできるステージギミック的なカードになっています。

ゲームの畳み方

上記の採用カードでは相性の良いデスゲームらしいカードを紹介しましたが、どれも勝つためのカードではなく相手を疲弊させるものとなっているので、ここでは具体的なゲームの終わらせ方を紹介したいと思います。

  • 《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》コンボ

中世ぐらいから見たコンボ

言わずと知れた《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》の無限トークンコンボです。《士気溢れる徴集兵/Zealous Conscripts》だけでなく《強制的な勧誘者/Coercive Recruiter》も採用してコンボの比率を高めています。
《鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker》は単体でも強く、登場時効果持ちをコピーして盤面に干渉するなんてこともよくあるので、コンボカードですが大胆に使っても良いと思っています。

  • コントロール奪取

横にすると向きが対照的

《苦痛の王/The Lord of Pain》によってライフが削られていくと、残り1〜2体で殴れば削り切れる状態になりがちです。そういった状況では《溶鉄の始源体/Molten Primordial》《忌まわしき監督官/Hideous Taskmaster》で一気クリーチャーを奪い殴り勝ちに行きます。一度に3人同時に倒すことは難しいですが、2人ほどであれば同時に倒すことができ、残り1人にも圧をかけることができます。
特に《忌まわしき監督官/Hideous Taskmaster》は速攻だけでなく、トランプルと滅殺1も付与してくれるのでダメージが出しやすく、リソースも削ってくれるため1枚でゲームエンドまで持っていけます。

  • ダメージ倍増

期待の新人

相棒の《獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercer》や《双炎の暴君/Twinflame Tyrant》によるダメージ倍増によって勝つプランです。基本的には《苦痛の王/The Lord of Pain》の横に立たせ、毎ターン10点以上のダメージを相手に飛ばし、自ターンで殴って、残りのライフを削り切ります。
出しただけで勝ちに直結するわけではないので、相手に対応の余地を与えてしまいますが、逆に対処をしないといけないため盤面処理にリソースを使ってくれます。相手に対応を迫るという脅しに使えるので、自ターンにキキジキコンボを決めたり、《隠れしウラブラスク/Urabrask the Hidden》《無慈悲なる者ケアヴェク/Kaervek the Merciless》といった蓋をするカードでさらに優位に立つことができます。

他の可能性

ダスクモーン:戦慄の館が発売してから、友人たちや交流会を通じて独自のチューンアップをして現在の形になりましたが、まだまだ改良の余地はあると思っています。相棒によるデッキ制約によって偶数の強いカードを排しているため、ここで少し紹介して他の方の参考になればと思います。

  • 《極悪な二人組/Fiendish Duo》

先制攻撃がさらに極悪さを増してる

対戦相手が受けるダメージが倍になり、しかも対戦相手が別の対戦相手に与えるダメージでもそれが有効で、さらに自分は倍のダメージを受ける制約はないというあまりにも極悪なカードです。先制攻撃も持っており、打たれ強さも相まってこのカードを入れない理由の方がないぐらいです。

  • 《Call Forth the Tempest》

何度でも何回でも唱えたい

指輪物語のショーケースキットと限定のコレクターブースターに収録されたカードで日本語版が存在しないカードです。テキストは以下になっています。

続唱、続唱
Call Forth the Tempestは、あなたの対戦相手がコントロールする各クリーチャーに、このターン、あなたが唱えたこれでない呪文のマナ総量の合計の値に等しいダメージを与える。

mtg.wikiより

ヒュージなので最低でも10点を対戦相手の各クリーチャーに与える全体除去ですが、続唱が2つもあるおかげで自分だけ盤面展開したりすることができる大味カードです。色拘束に難儀しなければ、赤を使うデッキであればほぼ確実に入れたいカードになるかなと思っています。

  • 《熱病の疑惑/Fevered Suspicion》

実質「原初の征服者、エターリ」

自分以外《原初の征服者、エターリ/Etali, Primal Conqueror》といったカードで、一気に展開することができます。反復もあるため自ターン時にさらに展開することができ、ゲームの流れを自分に引き寄せてくれます。いつどんな場面で唱えてもいいカードなので、それだけでも強いカードと言わざるを得ません。

おわりに

少々長い文章になってしまいましたが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
ヒュージ・リーダーズは統率者戦を元にした特殊フォーマットでありますが、近年多くの方が参入し賑わいを見せています。コストの重さに相応しい大胆さはもちろんのこと、細かなシナジーによるアドバンテージ回収などひとえに言えない魅力が詰まっています。
この記事を読んだ方がヒュージの新たな知見は得たり、始めるきっかけになればとても嬉しく思います。

それにしても初見だと《苦痛の王/The Lord of Pain》のテキストがややこしすぎる!デスゲームお好きな方はぜひ(筆者の心の声

この記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.

https://company.wizards.com/ja/legal/fancontentpolicy

いいなと思ったら応援しよう!