スタートアップの仮説を現実化する方法
スタートアップ立ち上げ中、東工大修士1年のタキモトです。
今回は、スタートアップのアイデアの検証方法を考えているときにHAKOBUNEの高橋さんに教えていただいたW fundの佐藤さんの記事が超勉強になったので、自分なりに噛み砕いた施策をNoteに残します。
自分の意思決定の振り返り用やチームメンバーとの検証への意思共有に使う用であると同時に、
同じようにスタートアップ初期の人の参考になれば嬉しいです。
便利なフレームワークの"罠"
先日ノートで解説したようなリーンキャンバスやPEST分析、AARRRモデルなどフレームワークは様々です。
しかし、実際に気をつけなければならないのが、このフレームワークが生み出してしまう「納得感」だと思います。
まだ何もアイデアに対してのエビデンスがないのにも関わらず、アイデアを詰めることができていると錯覚してしまうのです。
佐藤さんが取り上げられていた論文でも以下のようなことが述べられています。
上手に使う方法は?
私たちのチームでは、リーンキャンバスの役割について議論しました。
その結果、初回に行うことでチームメンバーの理解の擦り合わせができ、バウンダリーオブジェクト(共通言語)としての役割を果たすという結論に達しました。
(現段階で僕らはある程度事業の構成がついていたので、アイデア出しのツールとしては使っていません)
そして、これから行っていく検証のフェーズで今まで見えていなかった課題が出るたびにピボットし、リーンキャンバスをバウンダリーオブジェクトとしてチームの方向性を揃えていくという方法がいいと考えました。
つまり、バランス型です。
現時点で、理解の共有ができたところで、
ついに、科学的な仮説検証のフェーズに移っていきます。
科学的な仮説検証とは?
仮説はそのままだと空想上の絵空事です。
そこで必要になってくるのが科学的な仮説検証です。空想上のことをリアルの世界に近づけるために必要なのがこの検証です。
以下に佐藤さんのNoteを参考にしたステップを添付します。
仮説検証の進め方
ここで、最も大事なフェーズが 1.問いの設立 です。
今本当に答えを出すべき「良い問い」を立てれるかがスタートアップの成功に関わってくると言っても過言ではありません。
数え切れないほどある問いの中でクリティカルな問いを立て、
スピード感のある検証を進めていくことが、チームのモチベーションを維持し、よりターゲットに深く刺す事業を作るためには必要です。
そこで、優先順位についてわかりやすくTiktokの事例に落とし込んで整理してみるとこんな感じです。
存在するプレーヤーは「クリエイター」「ユーザー」「企業」とします。
このように検証結果によっては、事業モデルが変わってしまうというところから順に問いの優先順位を立てていくことが、PMF(プロダクトマーケットフィット)を達成するために必要だと思います。
また、検証をする中で立てていた仮説は、毎回と言っていいほど変わると思います。その度にリーンキャンバスでチームの理解を共有していくことも大切だと思います。
注意する点
仮説検証を進めるにあたって、注意する点がいくつかあるのでまとめました。
まず、「優先順位の順に検証する」についてですが、
例えば、最もクリティカルなターゲットを調査する前に、お金を出してくれるところへ検証しに行ったとしても、そもそもニーズがなかったら検証も水の泡になってしまうということです。
また、「調査に時間をかけすぎない」についてですが、
完成度を求めすぎないことが大事です。スタートアップはアカデミアのように厳格な審査がないため、ある程度の妥当性のある調査ならOKです。
重視すべきなのは、「答えを出すこと」であり、その調査過程ではありません。
最後に、「短期的視点に囚われて素早いローンチを目指さないこと」ですが、人間は目の前の甘い蜜に飛びつくことを我慢できないという性質があります。
だから、早く事業にしたいし、その楽しみを味わいたいと思うものです。僕自身も舞い上がって重要なことを見失いそうになってしまうことが多々あります。
でも、長期的に見て、本当にこのままでいいのか、まだ工程が足りないのではないか。事業を本気で成功させたいなら、入念な準備が必要だということを立ち返って考えることが重要だと思います。
終わりに
今回の内容を参考にして、ぜひ仮説検証を行ってみてください。
まず、問いを整理して、それの優先順位を話し合い、1つ1つチームで実行していくべきだと思います。
僕も明日からこれをチームで実践します!