35・「老人のシェアハウス」のきっかけは
夫が、「老人のシェアハウス」と呼ぶようになったきっかけは・・・
夫に 本をたまには整理してほしいという私の魂胆で、
子供部屋が空いてるので、そこを夫の書斎にしたらと提案してみた。
その提案は受け入れたのだが、物を捨てるのが大嫌いな夫は、
書斎とした部屋の壁一面に本棚を作り、そこに 半分は一生読まないであろう本を山ほど詰め込んだ。
本はたいして処分しなかったが、衣類は思い切って整理してくれた。
服は私が処分しようとすると怒るので、全部の服を出して、いるもの、いらないもの、迷ってるものにわけてほしいと頼んだ。
夫婦ゲンカのついでに、
「今までの様子からみると、1年着ないものは、絶対もう着ない!
“いつか着る”の いつか なんて来ない!」と言って。
結果、ナイロン袋にいくつも処分してくれた。いざとなったら、服に関してはいさぎよかった。
自分で決めたのだから、文句は出ない やった~!
夫は、カーテン、ブラインドを取り付け、サイドテーブルと机をありあわせの材料で手作りし、ベッドも置いて、自分の服も全部吊り下げて、自分の城を作りあげた。人生初の自分の部屋らしい(夫は5人兄弟)
それで、結婚以来初めて寝室を別にしたら、これが快適なのだ。
だいたい、2人とも年取ってきて、夜中によく目が覚める。
相手のちょっとした物音や、本を読むスタンドの明かりなどで、目がさめてまうと、そのあと、眠れないことがある。
寝室を別にしたら、その不満が一気に解決した。
お互い、相手の都合で起こされることもなく、
夜中に眠れなくても気を使わずにスタンドをつけて本が読める。
こんな快適なことはないと、2人ともすぐに実感したのだった。
今までの夫婦の寝室は、私の部屋となり、
母をふくめ3人の家族がそれぞれ個室をもち、食事とTVは居間でと、
前述のシェアハウス状態になったのだ。
老人のシェアハウス、えらく快適である。