1・去りゆく夏に「サマータイム」
ヤマボウシの赤い実が落ちていた。秋だなあ。
初夏のころ、ヤマボウシの並木が雨にぬれて濃い緑になった中に白い花をつけて、幻想的なほどきれいだった。いつもと同じ道とは思えないほどに。
栗も店頭に並び始め、あんなに暑かったのに、いつの間にか秋が忍び寄ってきてる。
夏の名残りに、
ザ・フーの「サマータイムブルース」や
ジャニス・ジョプリンの「サマータイム」を聴く。
「サマータイム」は、ジャズシンガーのビリー・ホリディの歌で初めて聴いてよかったのだが、
ロック歌手のジャニス・ジョプリンの「サマータイム」には衝撃を受けた。
ジャニスの、魂からしぼり出すようなあの声。
バックのバンドもすごくいい。
歌というのは、きれいな声、というだけで表現できるものじゃないんだなぁと思う。やっぱりその人間の魂といったものが現われる。
きれいな歌、かっこいい歌でも、そのどれもが自分を満たしてくれないとき、ジャニスの歌を聴く。
去り行く夏に聴くといっそう心にしみるジャニス・ジョプリンの「サマータイム」だった。
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