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73・ローリング・ストーンズ~Bitchと「女二人のニューギニア」


涼しくなりましたね。涼しいと こんなに体がラクなのかと実感してる70代。
夏は もう何にもやれないと思って やってたことを辞めたのだけど
涼しくなったら何でもやれそうな気がしてきた。
でも、辞めてよかった 少しずついろんなことを減らしていこうと思う。
ただnote関係は広がるばかり。体力使わないしね。

こけももさんのところで、この本を知り、さっそく図書館で借りたら、
抱腹絶倒の面白さ。これは絶対持っていて今後の人生の糧にしょうと新品の本を買ってしまったのも  こけももさんと同じ!
写真の左が図書館から借りた本で 右が買った文庫本。

女二人とは、作家の有吉佐和子さんと、文化人類学者の畑中幸子さんである。畑中さんの「ニューギニアはいいとこよ。あなたも来てみない?」という誘いにまんまと乗せられて 気楽にニューギニアに行ってしまった有吉佐和子さん。

くわしくはこけももさんの記事を読んでいただくことにして、
高校山岳部出身の私としては、作者らが、ミューギニアの高地の住まいに着くまでの3日間 五つの山を越えていくまでの道中がすごいと思った。
山といってもジャングルの山なのである。
「ジャングルがこんなに険しい山だなんて!」と作者も書いている。
キツイ勾配、木の根が蛇のようにのたくってて足を取られればひっくり返り3メートルも墜落し 葉っぱやキノコや蟻などには十分注意しないと食いつかれる。うっかり食いつかれたら(キノコだって食いつくんだから!)その後が痛いし痒いしで大変なことになる。
川の中を歩き泥の中を進む。
登山の大変さは私も想像がつくが、プラスジャングルで、しかも作者はこんなのだとは想像もしてなかったので、体も鍛えていない。ムリだろうと思ったら やっぱり最後はネイティブにおぶわれ、豚の丸焼きのように木にくくられたりしてたどりつくのだ。
有吉さんの足の指の爪ははがれ、帰りもこの3日間の道中をたどらなくては帰れないので、足の指が治り体が回復するまで 現地で暮らすしかなくなったのだ。
ニューギニアで暮らしてる畑中さんは「私なんか一往復するたびに指の爪
はがれてるわ。今は三度目のんがはえかわりや」と平然としてる。
当時のニューギニアのこのあたりの高地ではヘリコプターは万金積んでも呼ぶことはできない。

想像もしてなかった大変な状況にアタフタする作者有吉佐和子さんと、このニューギニアで女ひとり貧乏に暮らしながら研究する畑中幸子さん。
2人の暮らしの抱腹絶倒の面白さで笑ってるうちに この2人の人格のすばらしさが心に沁みてくる。
困難な状況でわかる人間の真価。
2人とも 怒髪天を衝くほど怒っても、けっしてグチっぽくならない。
特に、畑中さんの傑物ぶりはすごい!!

女の価値の低い当時のニューギニアで、ネイティブ相手に ある時は強く ある時は「密林の聖女」とも呼ぶべき尊い優しさで(もっとも、畑中さんの口からは絶えず聖女に似合わない乱暴な言葉がほとばしりでてるのだが、日本語なのでネイティブにはわからない)どんどん現地社会に根をはっていく。この人のハチャメチャぶりがすごい!!
こういう人がいることを知っただけでも元気をもらえる。

ノーテンキなことばかり書いてる私でも、生きてりゃいろいろある。
98歳の人間(母)を、元気でいさせるのもなかなか大変なのだ。
気が滅入ったときにこの本を読んだら元気になると思って 私にしては珍しく新品を買ったのだ。
畑中さんのことを思ったら、自分のことなど笑いとばせそうだ。

でやっとBitchなのだが、英語では「尻軽女」など相当悪い意味で使われるらしいが私は英語のネイティヴではないのでニュアンスはわからない。
しかし、当時のニューギニアには、たぶん女に対してこんな言葉はない。
女は野豚3匹と交換できるほど地位が低いのだ。
Bitchのようなワルだったらとても生きていけないだろう。
Bitchという言葉があることは、多少とも 女がBitchでも生きていける文明社会なのかもしれない。



しつこく、ローリング・ストーンズの下記の記事を楽しみながら
スティッキー・フィンガーズの「Bitch」を聴いています♪


BitchはレコードB面の1曲目で、A面1曲目がBrown Sugarだった。
力のこもった曲をAB両面の1曲めに持ってきたなぁというのが当時の印象。

Ryoさんの解説で 特に ああなるほどと思ったのが下記。(他もなるほどの連続なのだが)

>この辺の演奏の自由度の高さが、ストーンズにはまると抜けられなくなる理由の一つだと、個人的には思っています。>

>相手の音に反応し合って、最終的なバンドサウンドになっているという感じです。そこに、隙間やアドリブ性があるので、やっている本人たちも飽きないんだろうなと。>

これを体現するようなBitchの曲。
何てかっこいい曲なんだ!と思ってた。



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