18・こうなりゃ百まで
台所の模様替えに、初めは 「これは、どこにしまうの?」と戸惑ってた母もすぐに慣れた。毎食、食器をふきんで拭いてしまってるしね。
しかし、95才という年を考えると、母のこの順応性には感心する。
「こんなに、生きるとは思わなかった」とか「何にもできないで」
と の母の弱気の発言に
「何言ってんの? こうなりゃ、百まで生きて、うちの先祖で初めての百歳になるのよ」と言うと、
もう充分生きたのにとアタマ抱えてしまった。
母は、そんなに世話かけないし、むしろ自分のやれることで手助けしようと がんばってるのだ。
台所はまだやれるし、草むしりもイスに座ってやる。
つくろい物や、縫い物もできる。
ジグゾーパズルや、数独もやる。
母は暇だというが、暇ぐらいでちょうどいいのだ。
95才で暇がないようなら、死んじゃうよ。