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ゆうこすさんの本を読んで、結果、インスタ映えする「たまごサンド」を食いに行った話。/書かないよりは、まし。20

知人のライターさんに本書をいただかなかったら、僕は正直、ゆうこす(菅本裕子)さんの本って読まなかったって思うんです。
僕の中では、彼女はなんだかスキャンダラスな元アイドルだな、という印象でとまっていて。
でも、読んでよかった。

出版社にいたころ、僕もSNSについての本を、何冊か作りました。
ただ、どれもビジネスへの活用を念頭に置いた本で、教科書、ガイド的な本作りをしてきたんですよね。
関連アカウントのURLや、キャプチャーをガシガシ載せたり、運営ノウハウを事細かに解説したり。

けれど、この『SNSで夢を叶える』は、当然ながら作りが違います。
URLもキャプチャーも全然載っていなくて、そのかわり、ゆうこすさんの人生の「ストーリー」が事細かく書かれている。

HKT48を脱退後に見に覚えのないスキャンダルが出て、泣く泣くYouTubeに謝罪・訂正動画をアップしたこと。
ツイッターには当初アンチばかり湧いて、毎日が否定的なリプライとの戦いだったこと。
料理アイドルへと路線変更したものの、手応えもなく、未来が見えなかったこと。

そんな彼女がSNSをキッカケにどう変わったか、そのビフォーアフターが本書の一つの軸です。
だから、章見出しも「第1章 叶わなかった初恋」「第2章 「好き」と素直に言えるまで」「第3章 片思いが恋に変わった瞬間」…と、SNSとの恋物語を表すような見出しがつけられている。

もちろん、本書にはゆうこすさん独自のノウハウもちゃんと書いてあります。
(インスタこそ「長文」で「詳しく」書く書け、などは特になるほどと思いました)
けれど、もし細かいSNSの活用テクニックを学びたければ、それはそれで他にも役立つ本はあるでしょう。

本書は、ただのSNS活用本ではなく、「SNS×自己啓発」書なんです。
どん底を経験した元アイドルが、「モテたい」という自分の原動力を見つけて、SNSの力を総動員して「モテクリエイター」へと変身する。
そのストーリーも込みで楽しむのが本書の正しい読み方であり、同時に、彼女の「フォロワー」にフィットする作りがなされているんだと思いました。

最初に言ったように、僕はキッカケがなければ、本書の読者にはならなかったでしょう(もちろん想定読者でもないでしょうが)。
けれど、そのどん底からの再生物語を、どストレートに発信した作り手への敬意を表して、地元「マドラグ」のインスタ映えするだろう「たまごサンド」と並べて、この本の写真を撮ってきました。

こんな写真、全然かわいくないじゃんと思った方は、ぜひゆうこすさんの本をどうぞ。これが僕の限界です…

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滝啓輔💰講談社「マネー現代/現代ビジネス」編集部
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