映像技術の教科書 |11|ビデオ基礎② 映像信号
はじめに
こんにちは。
虎徹のタキです。
映像技術の教科書、第11回です。
前回に引き続き、ビデオ技術について学びましょう。
信号とケーブルの回、です。
映像フォーマットの構成要素
これまでのnoteをご覧いただいている方は身についているとおもいますが、映像ファイルのフォーマットは以下の項目で構成されています。
① 解像度 - 横のピクセル数 × 縦のピクセル数, アスペクト比
② フレームレート - 1秒間のフレーム数
③ スキャン方式 - プログレッシブ / インターレース
④ コーデック - 圧縮方式 / 非圧縮
⑤ ファイルコンテナ - 拡張子
⑥ ピクセルアスペクト - ピクセルのアスペクト比
例えば、
3840 × 2160 23.976fps ProRes422HQ MOV
とか
1920 × 1080 59.94i H264 MP4
というように映像ファイルのフォーマットを表します。
(記載する順番に決まりはありません)
ピクセルアスペクトに関しては、ほとんどの映像ファイルで1:1を採用している為、表記されないことが多いです。
デジタル映像ファイルの世界では、我々はある程度自由な解像度とフレームレートが選択できます。みなさんも1:1の映像や9:16のコンテンツをスマートフォンなどで目にすることもあるとおもいます。
映像信号
映像の取り扱いに関しては、
・PCやカメラにはいっている映像データのフォーマット
・カメラやモニターを接続する際の映像信号のフォーマット
の2種類があります。後者の最もわかりやすい例はHDMIです。
このふたつは似ているようで少し違った取り扱いが必要です。
カメラやモニター、中継機材・収録機材間の接続を行う際には放送規格に準じた映像フォーマットに制限されます。
カメラでアスペクト比1:1の映像を撮影し、アスペクト比1:1のモニターを用意したとしても、ケーブルでそれらを繋いで映像を伝送することはできない、ということです。
このnoteをご覧いただいている方のほとんどが映像技術に関連する仕事をされる方または今後そうなる可能性のある方だと思うので、よく目にするビデオカメラやモニターを繋いでいるケーブルにどんな映像信号が通っていて、どんな特徴があるのかを知っておくとよいとおもいます。
今回はそんな内容です。
映像信号の種類
主要な映像信号には、以下のようなものがあります。
この中には機器同士を単純にケーブルで接続するものや、ネットワークを介して映像・音声を伝送するものなどいろいろな種類が含まれます。
しかし、映像や音声を送受信するプロトコル(通信方式)という意味では同じように考えてよいです。
以下で、主要な映像信号(または映像伝送プロトコル)の特徴や用途について説明していきます。
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