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映像技術の教科書 |09|LUT

はじめに

こんにちは。
虎徹のタキです。
映像技術の教科書、第9回です。
今回はLUTについて解説します。


ピクセルのRGB値

これまで8回にわたって映像の露出やデータ形式、ガンマやカラースペースについて学んできました。これらの要素によって、今目の前にある(と仮定します)映像データの明るさや色が決まります。
映像や画像を感覚的に説明するとき、
”色鮮やかなシャツ”
”青い空”
”暗い森”
”明るい砂浜”
といった言葉になると思います。
実際の映像を構成する各ピクセルは、明るさや鮮やかさのようなパラメータで定義されているわけではありません。例えば1920×1080 RGB10bitの映像データは、約200万画素あるピクセルそれぞれについて、RGB各チャンネル1024(0 - 1023)段階の組み合わせをもって色(および明るさ)が決まっています。
RGB(0,0,0)からRGB(1023,1023,1023)の組み合わせになり、1023の3乗 ≒ 約10億7300万色の表現が可能という計算になります。

当然ながら、映像や写真はそれぞれ異なるRGB値のレイアウトによって様々な絵柄を構成しています。フォトレタッチやカラーグレーディングなどの作業はこれらを整えたりクリエイティブな表現のために色や明るさを調整するわけですが、
【ある条件に基づいて、再現性のある色・トーン表現を実現したい】
という状況があります。
例えば、以下のような場合です。

・SLog3/SGamut3で撮影された素材をRec709に変換したい
・ビデオの映像をフイルムのようなトーンや色を再現したい
・グレーディングで生成したトーンを撮影現場でカメラにも適用したい
・実写映像とCGを、異なるソフトウェア間で近しい色に合わせたい

映像の仕事に従事していくと、録音・音声に携わる方以外のほとんどが上記のような問題に直面すると思います。
今回のテーマは、大きくは色の変換について、です。
まずはLUTについてご説明します。

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