【詩のようなもの】かつての少年へ

ひとつひとつの曲がり角を
一度もたがえず、間違えず
きちんと曲がってきたあなただから
わたしはあなたに惹かれたのでしょう

えぐるような胸の傷も
あなたを愛した女たちも
夢を語った友たちも
あなたを育てた重責も

すべてが愛おしい、たからもの
いまのあなたをつくりあげた
欠くことのできぬ大切なもの

わたしの胸にある深い傷も
叶わぬ想いも
立ち去ったひとも

すべてはあなたに出会うため
必要だったといまは思う

わたしたち、天使のように無傷では
もはやいられないけれど
間違いなんてなかったの
いらぬものなどなかったの

傷を痛みをこころに抱いて
必死に駆け抜けたかつての少年
あなたの髪を優しくなでて
わたしの胸に抱きとめたい

わたしはあなたを、信じてる