日経ビジネスの特集記事 51
大胆予測 2023 「有事」に備えよ 2022.12.26 2023.01.02 3/3
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
今号は、年末・年始の2週合併号となります。
2023年はどんな年になるでしょうか。
第1回は「台湾有事」というテーマを中心に説明しました。
第2回は「日本経済を取り巻くリスク」というテーマを中心にご紹介しました。
最終回は「逆境が革新を迫る」というテーマを中心にご紹介します。主要業種の展望を日経ビジネスの記者が報告します。
PART 3 記者が展望、主要業種の2023年 高まるコスト、滞る消費 逆境が革新迫る
日経ビジネスは2023年を悲観的に見ています。
長年日経ビジネスを購読してきて感じていることは、日経ビジネスは物事を楽観的に見るよりも、むしろ悲観的に見ることのほうが多いということです。
「賢者は最善を望みながら、最悪を覚悟する」(日本株ストラテジスト ピーター・タスカ)
取り扱う業種を先にお知らせしておきます。
次の10業種です。
では、順に見ていきましょう。日経ビジネスの記者はどんな点に着目しているのかをご覧ください。()内の氏名は日経ビジネスの記者
1自動車業界
まず、トヨタ自動車の幹部の言葉をご紹介します。2023年の自動車業界は、かなり厳しい年になりそうだと見ています。
半導体不足が収束するのはいつか?
半導体不足がいつ収束するのかは、予測しにくいということです。
EV(電気自動車)といえば、何と言ってもテスラですね。
日本の自動車メーカーは現状では太刀打ちできません。
もちろん、未来はどうなるか分かりませんが。
そんな中で、ホンダとソニーグループが共同出資した企業(ソニー・ホンダモビリティ)が注目されています。
ソニー・ホンダモビリティが本腰を入れてEVを造れば、国内外で大きなうねりを作り出せる可能性があります。
2家電業界
電気代が高騰していますので、省エネ製品が数多く市場に出てくるでしょう。その中で市場を制する製品は何か。
省エネ製品
今夏には電気料金が再値上げという話があります。極力エアコンは使わないか、設定温度を上げるということが対策として考えられます。
ただし、熱中症対策のために水分補給をこまめに取ることが欠かせません。
3鉄・非鉄業界
鉄・非鉄業界は自動車業界との関連性が高い業界です。自動車のボディやEVに不可欠な銅やニッケルの受給はどうなのか、がポイントです。
銅やニッケルの受給
鉄鋼各社も非鉄金属業界も先が見通せないというのが、実情のようです。
4ネット・メディア業界
オープンAIが開発した生成AIのChatGPT(マイクロソフトが莫大な出資)とグーグルが開発したBardの2つのツールが雌雄を決することになるのか。あるいは他にも競合が現れるのか。アップルやアマゾンの動向が気になります。
一方、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)はメタバースに命運をかけているようです。
短編動画の囲い込み
ネット通販やメディア業界の競争は今後ますます激化することが予想されます。生き残れるのか? 勝ち残る企業はどこか? 業界再編もあり得るでしょう。
5専門店業界
ドラッグストア業界に衝撃が走りました。遂に、ウエルシアHDが「売上高1兆円企業」になりました。
ウエルシアは自宅から徒歩3~4分のところにあるので、よく利用しています。24時間営業ですので、電池や電球切れあるいは薬品類等が急に必要になった場合にも利用できるので助かります。
私は病院には滅多に行かないのであまり関係ないのですが、調剤薬局が店内に併設されています。処方箋が必要な人には日用品の買い物のついでに利用できるので便利でしょう。
食品類も豊富ですし、TポイントもWAONも併用できます。隣にはファミマもあります。生鮮食品を買う時には、ウエルシアから徒歩3~4分のところに食品スーパー・マルエツがありますのでよく利用しています。
つまり、自宅から徒歩10分圏内にドラッグストア・コンビニ・食品スーパーがあります。70歳(2023年6月に68歳になる)が近くなってきた私にとってはとても助かります。
状況によっては、イオンスやイトーヨーカドーのネットスーパーを利用することも可能です。
さらに、ウエルシア、ファミマ、マルエツでTポイントが使えます。この点でもありがたいです。
尚、ウエルシアはイオングループの傘下にあります。
余談はこのあたりにして、本題に戻ります。
1位のウエルシアHDと2位のツルハHDの差は何だったのかについては、最近ネットで報道されました。
ウエルシアHDが「売上高1兆円」を達成
「メリハリ消費」
節約ばかりでは楽しくないと感じる人たちは、普段は節約しながらある特定のモノあるいはコトにお金をかけるという傾向はあるようです。
プライベートブランド商品の重視
PBで有名なのはセブンプレミアムでしょうか。そうです。セブン-イレブンやイトーヨーカドーで販売している、ちょっと高めのPBです。
6コンビニ業界
「ラストワンマイルを制する者は物流を制する」と言われたことがあります。
最終顧客へいかにして商品を届けるかということです。もちろん、ラストワンマイルは最後の1マイル(1.6km)という意味ではなく、比喩的に使われています。
「ラストワンマイル」のサービス競争
人手不足の深刻化
人手不足の深刻化は、セミセルフレジシステムの設置も促しています。セルフレジは顧客がすべての商品をスキャンし、支払いに至るまでを自分一人でやりますが、セミセルフレジは商品のスキャンはレジ係が行ない、顧客は専用レジで支払いを済ませます。これだけでも省力化ができます。
7外食業界
新型コロナ禍で大きな打撃を受けた業界の1つは外食産業でしょう。顧客の外出がままならなかったからです。
新型コロナ禍の次は、原材料価格や円安による輸入コストの高騰は頭の痛いことです。
原材料価格や円安による輸入コストの高騰も悩みの種
原材料価格などの高騰を価格転嫁できる企業とできない企業で業績の差が表れていることでしょう。その状況で、シェア拡大のために値下げする企業は滅多にないでしょう。資金力のある企業はやるかもしれませんが。
起死回生の一手を模索中
外食産業は生き残りのため、M&Aをしたり、アプリシステムを開発する企業と協業することなどが増えてくるでしょう。
8銀行業界
銀行業界は再編が起こる可能性が高いと言えます。低金利のため貸付金利息の収入が乏しく、疲弊している地方銀行・信用金庫はかなりあります。
外国債券の金利上昇のため運用に苦慮する地銀もあるそうです。
「他行がやるから当行もやる」という横並び思考がもたらす弊害です。
メガバンクの再編さえ取り沙汰されています。
外国債券の含み損の拡大
メガバンクでねじれ現象が起きています。
みずほ証券がPayPay証券、三井住友銀行はPayPay銀行に出資
みずほFGと三井住友FGのタッグにSBIホールディングが関わりそうだという観測があります。
両グループのタッグに関わりそうなSBIホールディング
地方銀行は再編の動きが進みそう
個人的な見解ですが、銀行の数が多すぎるので、統廃合したりして再編を推し進めてほしいと願っています。地方銀行は利便性でネットバンク(住信SBIネット銀行や楽天銀行など)に押されていると感じています。
9エネルギー業界
エネルギー問題は今夏が焦点となるでしょう。猛暑日が続くことになれば、エアコンの使用頻度が高まり、「室温28℃の目安」は耐えきれないケースもあります。勘違いしないで欲しいですが、「室温28℃の目安」というのはエアコンの温度設定を28℃にするということではありません。
エアコンの温度設定を28℃にしても室温が28℃にならなければ、エアコンの温度設定を下げなければ危険です。水分と塩分をこまめに補給することは熱中症対策のために極めて大切なことです。
電力量の不足を補うために原発再稼働の議論がありますが、現実的には難しいでしょう。
原発再稼働の可能性は低い
国の意向だけで原発は動かない
10 建設業界
建設資材の高騰は価格転嫁の可否に直結する問題です。価格転嫁が出来れば企業業績に好影響をもたらしますが、できなければ経営が厳しくなります。
民間工事に価格転嫁はできるか?
人件費の引き上げも頭の痛い問題
🔷編集後記
最終回は10の業界について日経ビジネスの記者の視点から捉えた課題を中心に取り上げました。
今号は年末年始特集ということで、「大胆予測 2023 「有事」に備えよというタイトルであらゆる想定を検討した記事が取り上げられました。
「備えあれば憂いなし」
この言葉は時代が変わっても、誰にとっても普遍的な言葉だと確信しています。
またもや10,000文字を超えてしまいました(10,125文字)。
最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
日経ビジネスはビジネス週刊誌です。日経ビジネスを発行しているのは日経BP社です。日本経済新聞社の子会社です。
日経ビジネスは、日経BP社の記者が独自の取材を敢行し、記事にしています。親会社の日本経済新聞ではしがらみがあり、そこまで書けない事実でも取り上げることが、しばしばあります。
日経ビジネスは日本経済新聞をライバル視しているのではないかとさえ思っています。
もちろん、雑誌と新聞とでは、同一のテーマでも取り扱い方が異なるという点はあるかもしれません。
新聞と比べ、雑誌では一つのテーマを深掘りし、ページを割くことが出来るという点で優位性があると考えています。
【『日経ビジネス』の特集記事 】 No.51
⭐『日経ビジネス』の特集記事から、私が特に関心を持った個所や重要と考えた個所を抜粋しました。
⭐ Ameba(アメブロ)に投稿していた記事は再編集し、加筆修正し、新たな情報を加味し、再投稿した記事は他の「バックナンバー」というマガジンにまとめています。
⭐原則として特集記事を3回に分けて投稿します。
「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」です。
(プロフィールから)
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