クレーム上等! またアマゾンで買ってしまうワケ 2014年度アフターサービスランキング 2014.11.03 3/3 2014-11-07 21:51:22
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
クレーム上等! またアマゾンで買ってしまうワケ 2014年度アフターサービスランキング 2014.11.03 3/3 2014-11-07 21:51:22
CONTENTS
PROLOGUE アマゾン「顧客満足」への渇望
PART 1 ファンを作る顧客サービス アフターではもう遅い
PART 2 「声なきクレーム」に商機 不満買い取ります
PART 3 災害が問うた迅速さ 2014年版アフターサービス
ランキング
第3回は、
PART 3 災害が問うた迅速さ 2014年版アフターサービス
ランキング
を取り上げます。
今週の特集記事のテーマは
クレームや不満をここぞとばかりにカイゼンにつなげる。
異様なまでの執念で、顧客満足のみを追求するアマゾンジャパン。
先進企業のサービス戦略は、従来は知ることもできなかった
「声なきクレーム」すら活用する段階に入った。
顧客満足を巡る競争を今、異次元のステージに差し掛かっている
(『日経ビジネス』 2014.11.03 号 P.026)
です。
初回は、アマゾンの「顧客満足」への飽くなき挑戦を中心としたホットな話題をお伝えしました。
WOWOWの「カギ開け」への取り組みについてもお伝えしました。
消費者の要求は高まることはあっても、低下することはありません。
2回目は、消費者の「不満」を集め、その生データを企業に売るというビジネスモデルを確立した企業と、そのデータを活用し、新たな事業を開拓した中堅部品メーカーの取り組み等をご紹介しました。
今特集記事の最終回は、お待ちかねの「2014年版アフターサービスランキング」の発表です!
PART 3 災害が問うた迅速さ 2014年版アフターサービスランキング
最初に、アフターサービスランキングの部門をご紹介しておきましょう。
全16部門です。けっこうありますね。ですが、よくよく考えれば少ない、と感じるかもしれません。
つぶさに見ていくと、あの業界やこの業界がエントリーされていないな、と気づきました。
アフターサービスの重要度が高い業界に絞った、と考えられます。
それはさて置き、「アフターサービス満足度調査」はどのようにして行われたのか、触れておきましょう。
では、全16部門をご紹介します。部門ごとにベスト5を掲載します。
(企業の後ろの数字は前回順位)
1 損害保険(自動車保険は除く)
❶ 日本興亜損害保険
(現損害保険ジャパン日本興亜)⑧
❷ AIU損害保険 ①
❸ 三井住友海上火災保険 ③
❹ 東京海上日動火災保険 ⑦
❺ 損害保険ジャパン
(現損害保険ジャパン日本興亜)④
2 自動車保険
❶ ソニー損害保険 ①
❷ セゾン自動車火災保険 ⑫
❸ 富士火災海上保険 ⑭
❹ チューリッヒ保険 ⑧
❺ イーデザイン損害保険 ⑪
3 銀行(地方銀行を除く)
❶ ソニー銀行 ①
❷ 新生銀行 ②
❸ 住信SBIネット銀行 ⑦
❹ 三菱UFJ信託銀行 ③
❺ りそな銀行 ④
4 証券会社
❶ マネックス証券 ②
❷ カブドットコム証券 ④
❸ SBI証券 ③
❹ 松井証券 ①
❺ 野村證券 ⑦
5 携帯電話・PHSの通信会社
❶ NTTドコモ ②
❷ イー・アクセス(イー・モバイル、
現ワイモバイル) ①
❸ au ③
❹ ウィルコム(DDIポケットを含む、
現ワイモバイル) ⑤
❺ ソフトバンク ④
6 自動車(新車および自社ディーラーの認定中古車)
❶ レクサス ①
❷ アウディ ⑥
❸ メルセデス・ベンツ ⑫
❹ トヨタ自動車(レクサスを除く) ③
❺ 富士重工業 ②
7 薄型テレビ(液晶、プラズマ) *
❶ シャープ ①
❷ パナソニック ②
❸ 三菱電機 ③
❹ ソニー ④
❺ 日立製作所 ⑤
8 デジタルカメラ
❶ ペンタックス(現リコーイメージン
グ) ②
❷ ニコン ④
❸ オリンパス ⑤
❹ キャノン ③
❺ ソニー ⑥
9 パソコン(タブレットを除く)
❶ エプソンダイレクト ③
❷ アップル ②
❸ パナソニック ①
❹ 東芝 ④
❺ マウスコンピューター ⑨
10 スマートフォンおよびタブレット端末
❶ アップル ②
❷ シャープ ①
❸ ソニーモバイルコミュニケーション
ズ
(ソニー・エリクソン) ③
❹ 富士通モバイルコミュニケー
ションズ ⑥
❺ サムスン電子 ⑤
11 エアコン
❶ シャープ ①
❷ ダイキン工業 ③
❸ 日立製作所 ④
❹ 富士通ゼネラル ②
❺ パナソニック(ナショナル含む)⑥
12 家電量販店(ネットショッピングを除く) *
❶ ケーズホールディングス(ケーズデ
ンキ) ①
❷ 上新電機 ②
❸ ヨドバシカメラ ③
❹ EDION(旧DEODEO、ishimaru、
midoriを含む) ④
❺ ベスト電器 ⑤
13 新築マンション
❶ 野村不動産 ②
❷ 三井不動産レジデンシャル ①
❸ 住友不動産 ③
❹ 大和ハウス工業 ―
❺ 長谷工コーポレーション ⑥
14 新築戸建て住宅
❶ 旭化成ホームズ ①
❷ 積水ハウス ③
❸ 住友林業 ④
❹ 積水化学工業 ⑧
❺ パナホーム ⑥
15 ネット通販(モール、オークションやネットスーパーを除く)
❶ セシール ②
❷ Joshin Web(ジョーシン)①
❸ ニッセン ④
❹ ユニクロオンラインストア ③
❺ ヨドバシ・ドット・コム ⑥
16 ネットスーパー(百貨店、ドラッグストアを除く)
❶ イトーヨーカドーネットスーパー①
❷ パルシステム
(パルシステム生活協同組合連合
会) ③
❸ イオンネットスーパー ②
❹ Oisix/おいしっくす ④
❺ SEIYUドットコム
(旧西友ネットスーパー) ―
全16部門の中で、前回と順位に変動のなかったのは2部門だけでした。
7 薄型テレビ(液晶、プラズマ) * と 12 家電量販店(ネットショッピングを除く) * です。
前回と順位が目まぐるしく変わった部門はかなりありました。
その中でも、2 自動車保険や、6 自動車(新車および自社ディーラーの認定中古車)は、2位以下が大きく入れ替わりました。
『日経ビジネス』は、「損害保険」部門に関して、下記のような解説をしています。
やはり、スピードが重視されるようになってきていることが分かります。
「携帯電話・PHSの通信会社」部門に関しては、次のように解説しています。
首位のドコモでも、「『スタッフによって対応にバラつきがある』ことを満足度低下の要因として挙げる回答者が多かった」(p. 041)そうで、改善の余地はかなりありそうです。
最後に、「ネットスーパー」部門に関する、『日経ビジネス』の解説をご覧ください。「再利用意向」という言葉が出てきます。
クレームへの対応の仕方には、2つあります。
①クレームが発生しそうな内容を事前に潰しておくプロアクティブな対応
②発生してからのリアクティブな対応です。
アマゾンは前者の戦略を取り、大半の企業は後者のやり方から脱皮できていません。
これからの時代は、あらゆる点でスピードが加速し、スピードが武器になることは間違いありません。
好むと好まざるとにかかわらず、消費者の飽くなき要求に答えを用意している企業が、市場を制する時代になってきたと言えます。
キーワードは、クレームを逆手に取れ、だと思います。
いかがでしたでしょうか?
オリジナルのランキング表を掲載します(順不同)。
🔷編集後記
この特集記事(元記事)が公開されたのは、10年前のことで、アメブロでも10年前(2014-11-07 21:51:22)のことでした。
大幅に加筆修正しました。
クレームへの対応は難しいと思います。
SNSが発達した今、直接サービスセンターへ連絡するだけでなく、SNSに投稿するケースがあります。
しかも、注目されたいがために、事実と異なる状況をでっち上げ、誹謗中傷することもあります。
その投稿を見た人がウソを見破れず、信じ込んでしまい、拡散してしまうことさえあります。
そうなると、まさにバイラル(ウィルス)のように広まってしまいます。
しかも尾ひれがついてオリジナルと大きく逸脱してしまうこともあります。
悪質な犯罪行為という自覚がないため厄介です。
その一方で、「おもてなし」は度を過ぎると迷惑になります。おもてなしをした方は良いことをしたつもりになっていても、相手は不快感を抱くだけになってしまうこともあります。
顧客満足度調査が行われることがありますが、回答には必ず隠された真実があります。本心を明かすことが嫌で、調査を実施した側が喜ぶような回答をする人もいます。
10年前の16部門のランキングですが、2024年に同様の基準に基づき調査したら、ランキングはかなり違ったものになったことでしょう。
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