稲盛和夫 カリスマの遺訓 2022.09.12 3/3
【『日経ビジネス』の特集記事 】 #3
✅はじめに
⭐『日経ビジネス』の特集記事から、私が特に関心を持った個所や重要と考えた個所を抜粋しました。
⭐ Ameba(アメブロ)に投稿していた記事は再編集し、加筆修正し、新たな情報を加味し、再投稿した記事は他の「バックナンバー」というマガジンにまとめています。
⭐原則として特集記事を3回に分けて投稿します。
「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」です。
(プロフィールから)
日経ビジネス電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で、2022年9月12日号から定期購読を開始しました。
日経ビジネスの特集記事 #3
稲盛和夫 カリスマの遺訓 2022.09.12 3/3
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
PART 3 今も色あせない珠玉の言葉
PART 3では、稲盛和夫さんがインタビューで残した珠玉の言葉を見ていくことにしましょう。
経験に裏打ちされた言葉はストンと腑に落ちるはずです。
稲盛さんの魂のこもった言葉をぜひ素直な心で聞いてください。
✅若手時代 1975年12月8日号
地味な努力の積み重ね
秘訣といわれても、碁石のようにポンと打って形勢が一変するということはない気がします。地味な努力の積み上げしかないと思います。
⭐ 「当たり前のことを当たり前にやれば、かなりのことができる」と言った人がいました。言葉では簡単ですが、これは予想以上に難しいことです。
当たり前のことを当たり前にやらなかったからJALは破綻したのです。
ですから、稲盛さんはJALの再建に対し、社内で当たり前のことを当たり前にやるという精神を徹底させたのです。それがアメーバ経営だったと思います。
⭐ 私はもうサラリーマンではありませんので、会社組織には属していません。
ですが、個人レベルで他人と関わることは当然あります。互いに好き嫌いはあるでしょうが、物事をする場合、協力したり、協力してもらうためには普段から人間関係を大切にしていないとうまくいかないですね。
サラリーマン経営者の弱点
一番嫌なのは不遜な経営者ですね。
サラリーマン経営者というと大企業に多いですが、スケールが小さ過ぎると思います。
⭐ 創業者とサラリーマン経営者の大きな違いは次のとおりです。
前者はゼロからのスタートで何度も危機を乗り越えてきた経験があります。後者はすでに出来上がった会社を経営しているため危機感が乏しい、あるいは守りに入ってしまい、積極経営を行えない点にあると考えています。
つまり、サラリーマン経営者は地位に安住してしまうのです。
✅京セラ会長に 1986年11月10日号
京セラ会長になった動機
一つは、社内で本当に苦労した人を指名していこうと決めていたんです。
第二には、内務と外務を分けていこうということなんです。
三番目には、第二電電に最初に名乗りを挙げた者の責任上、成功させなければなりませんので。
⭐ 経営トップにとって大きな仕事は、後継者の育成と退任です。
これはなかなかできません。
とりわけ創業者にとってはゼロから育てた自社の経営から身を引くということができません。そのために相談役等の肩書で高齢になっても居座る傾向があります。
✅我々は退場しよう 2002年7月1日号
世代交代
今、多くの人は日本は人材不足だと言いますが、人がいないなら40歳くらいに賭けてみたい。
そのくらい大胆なことをしないと、日本の閉塞感は打ち破れない気がします。
ただし、「今の40代は日本が豊かになってから生まれたから、苦労らしい苦労をしていない」(p.029)と稲盛さんは指摘しています。
それでも40代を後継者に選びたい理由は何でしょうか?
楽をして育ってきているから、今の若い経営者は人間が練られていない。
苦労したことがなければ今から経験させればいい。
⭐ 稲盛さんは40代に対して手厳しい言葉を発しています。
しかし、それでも、経験がなければ経験させればいいじゃないかと言っています。「場を与えない限りリーダーは育たない」のだと。
批判だけでなく、チャンスを与える------とても大切なことだと思います。
チャンスを与えられればチャレンジするしかないでしょう。
CHANCEを掴みCHANGEさせるのです。CHANCEのCをGに置き換えればCHANGEになります。
私は、CHANCEのCはCONTENTS(中身)のCで、中身を変えれば(CHANGE)G=GOALSつまり目的を果たす、目標を達成すると考えています。こじつけですが。
✅ジャック・マー対談 2008年11月10日号
稲盛氏に信望を寄せるアリババの集団創業者、ジャック・マー氏
「満つれば欠ける」というのが、やはり自然の道理です。
今こそ人間は「足るを知る」という謙虚さを学ばなければなりません。企業経営者は、常に謙虚な姿勢をもって経営に当たるべきです。
⭐ 話は少し異なりますが、日光東照宮陽明門の1本の柱だけ逆になっています。その理由は、「完成したものはそこから崩壊が始まるという考え方から、わざと1本を不完全な逆さ柱にすることで、永遠に未完成であることを表現しているものと伝えられています」ということです。
(日光東照宮|実は未完成|陽明門の逆さ柱・隠された謎を紹介
2022年2月7日から 下のウェブページをご参照ください)
何が言いたいかと言えば、「満つれば欠ける」が自然の道理であるならば欠けるのが当然であるので、「足るを知る」という謙虚さを学ばなければならないということの連想でお伝えしました。
優れた経営者は皆、不況を次の成長のチャンスと考えます。
上記のように話した稲盛さんに対し、ジャック・マーさんは次のように話しています。
我々経営者は、お客様や株主が注目している以外のもの、あるいは見えないものを見なければならないと思います。
中国には「屋根は晴れた日に作る」ということわざがあります。屋根は晴れた日にきちんと作っておくべきで、災難という雨が降りかかってきてからでは遅いのです。
⭐ ジャック・マーさんが言いたかったことは、泥縄式(REACTIVE)ではなく、前もって予測し準備しておく(PROACTIVE)ことが大切だと私は考えています。
✅JAL会長に 2011年5月16日号
JALの経営再建
気付いたのは、JALの幹部には経営者として資質のない人があまりにも多すぎるということです。
⭐ JALは半官半民という企業でしたから、何かあれば国がなんとかしてくれるという甘えがあったのでしょう。稲盛さんの苦言にJALの幹部は不快感を抱いたことでしょう。
JALは「立派な会社」として、ちやほやされてきた長い歴史があるものですから、知らず知らずのうちに幹部が傲慢になってしまっていた。そのために顧客を失った。それが倒産の一番の原因だったと考えています。
一番力を入れたのは、まず「この会社は潰れたんですよ」と自覚してもらうこと。
⭐ 「一番力を入れたのは、まず『この会社は潰れたんですよ』と自覚してもらうこと」が容易ではなかったと推測します。
無自覚だったから破綻したことが自分事と捉えられなかったです。
パイロットも特殊技能者として高いプライドを持っていましたが、それではいけません。JALを選んでいただいたお客様に対して、お礼を言うべきです。
⭐ 自分たちの給料は、利用してくださるお客様によってもたらされるのです。そのような基本的なことから意識づけしていったのでしょう。
倒産後、第1期の業績
この1年で更生法の計画をはるかに上回り、1800億円を超す経常利益が出ています。
⭐ 倒産後わずか1年で「1800億円を超す経常利益が出てい」(p.033)るという結果は驚異的です。
「航空は装置産業であると同時に、究極のサービス産業です」(p.032)という基本を稲盛さんから指摘され、全社一丸で改革に取り組んだ結果です。
この結果に奢ることなく、改革を続けていってほしいと思います。
稲盛さんの強い願い
身命を賭して己を捨て、リーダーとなる人が出てきてほしい。中村(天風)氏の、「不屈不撓の一心にあり」というリーダーが今出なかったらいかんのではないでしょうか。
野性的な勇気とガッツ。そして強い意志を持った人が出てくることを期待しています。
⭐ 私も全く同感です。
縮みゆく日本に活力を与えるリーダーが各界で輩出することを願っています!
✅本誌最後のインタビュー 2018年1月8日号
アメーバ経営について語る
会社の業績は、経営トップだけではなく、社員全員が努力をし、辛酸をなめた結果、良くなるものです。
私が長年言ってきた、会社の中に小さな“アメーバ”という経営体をいくつもつくり、活性化することが大切なのです。
⭐ アメーバ経営は企業規模にかかわらず、どんな企業にも適用できると思います。使い方次第です。
稲盛さんの残したメッセージ
どんな環境に置かれようとも必死に努力さえすれば、必ず変化にも対応できますし、結果もおのずとついてくると私は信じています。
環境が悪くても良くても、努力を惜しまない。先が見通せない時代こそ、それを徹底するしかありません。
⭐ 稲盛さんの残したメッセージをしっかり受け止めて、日本を復活させて欲しいと強く願っています。
🔷 編集後記
名経営者と称賛される稲盛和夫さんは自分に厳しく、他人にも厳しい人だったことがわかります。
世の中には、自分に甘く、他人には厳しい人が少なからずいます。
稲盛さんの3つの考え方を常に念頭に置いて行動すべきだと、つくづく思いました。
「人間として何が正しいか」
「動機善なりや、私心なかりしか」
「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」
今回は、稲盛さんの残した熱いメッセージを過去のインタビューから抜粋しました。
インタビューで語られた稲盛さんの数々の言葉は、胸に迫るものです。
日本の政治家や官僚、経営者に稲盛さんの一部でも良いのでエッセンスを取り込み、日本のため、日本国民のために、真のリーダーシップを発揮し、全精力を傾注していただきたい。
⭐ 私の回想録
⭐ 私のマガジン (2022.09.18現在)
サポートしていただけると嬉しいです。 サポートしていただいたお金は、投稿のための資料購入代金に充てさせていただきます。