それをやったら「ブラック企業」 今どきの若手の鍛え方 2013.4.15 #3 2013-12-31 23:15:41
【『日経ビジネス』の特集記事】 #3 初出 2013-12-31 23:15:41 <バックナンバー>
⭐『日経ビジネス』の特集記事から、私が特に関心を持った個所や重要と考えた個所を抜粋しました。
⭐ 当面は、Ameba(アメブロ)に投稿していた記事を再編集し、加筆修正し、新たな情報を加味し、「バックナンバー」と表示し投稿します。
⭐ 1つのテーマについて複数回投稿している場合(ほとんどが該当します)には、1つにまとめて投稿します。タイトルの後の日付は雑誌の発行日で、最後の日付は投稿日を表わしています。
⭐ 一方、新規で投稿した記事については、異なる壁紙を用意し、本文内に「タイトル」と「雑誌発行年月日」を表示します。
再投稿することにした経緯
再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。
自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。
当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。
記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。
さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです。
「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
(プロフィールから)
2022年5月25日現在、週刊誌『日経ビジネス』を購読していませんが、新たに電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で今年の6月以降に定期購読する予定です。
日経ビジネスの特集記事 #3
それをやったら「ブラック企業」 今どきの若手の鍛え方 2013.4.15 1/3 2013-12-31 23:15:41
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
ブラック企業
「ブラック企業」という言葉をこの頃、よく耳にするようになりました。
「ブラック企業」というと、暴力団絡みの企業や法律に抵触する所業を行う企業を思い浮かべることでしょう。
ところが、最近言われる「ブラック企業」は、東証1部上場企業であったり、テレビCMなどで馴染みがある有名企業であったりします。
日経ビジネス(2013.4.15号)は、「ブラック企業」について次のように書いています。
<今では、労務管理に違法性がある会社はもちろん、厳しい社員教育や猛烈営業をモットーとするスパルタ系企業や、若者の目に「時代遅れ」に映る古い体質の企業
までがブラック呼ばわりされる時代になってきた>
日経ビジネスは、「ブラック企業」を企業側から見て、いかにして「ブラック企業」と呼ばれないようにするか、という対策を提案しています。
「ブラック企業」と呼ばれ始めたのは、十数年前からだそうです。
今では、ツイッターや2ch(チャンネル)などを用い、「ブラック企業就職偏差値ランキング」なるものに投稿するご時世です。しかも、そこには企業が実名で掲載されているということです。
「ブラック企業就職偏差値ランキング」を調べてみました。
結果は → ブラック企業就職偏差値ランキング
2ch(チャンネル)に投稿されたデータを元に集計した、ということになっています。
これが正しいということは言えません。しかし、こうしたランキングに実名企業が掲載され、悪いイメージを持たれることはマイナスにはなってもプラスにはなりません。
「ネットの悪評は企業の想像以上に、人材確保に打撃を与えている」と、就職活動支援サービスを手がける内定塾の講師、川尻早貴氏は警告しています。
さらに、「ブラック企業大賞」を開催するブラック企業大賞企画委員会なる団体が存在します。メンバーは法政大学教授の水島宏明氏や弁護士の佐々木尭氏などで構成され、今年6月にも”表彰式”を開催する予定です。
こうなると、学生だけの”お遊び”ではなくなっているのが実情です。
「悪い噂」の元を断つには
日経ビジネスは、
①対学生編
②対社員編
③対出入り業者編
の3つに分けて提案しています。
①対学生編
ここでポイントとなるのは、「圧迫面接」をやめることである、と指摘しています。
圧迫面接というのは、「威嚇や無視、反論などで理不尽な状況に面接参加者を追い詰めることにより、通常の面接では察しきれない素顔や人柄を把握する効果があるとされる」面接です。
この説明で思い起こされるのは、被疑者に容疑を自白させるために取調室という密室の中でつい最近まで行われていたことです。
目的のためには手段を選ばない、というマキャベリズムが横行していたのです。
それと同様なことを企業が行なっていたとは、驚愕すべき事実です。
あくまで一部の企業ですが。
②対社員編
ここでポイントとなるのは、とにかく対話の数を増やし、言葉の言い換えをして若者を萎縮させないことだ、と指摘しています。
若者に限らず、存在を無視されることは心の痛手になることは間違いありません。
心のケアまで考慮しなくてはならないのです。
③対出入り業者編
ここでポイントとなるのは、”ブラック”的な振る舞いをやめることにつきます。
「下請業者など会社に出入りする外部の人間は、社員が思う以上に取引先の内部事情に目を配っている」ことを忘れてはなりません。
日経ビジネスは、次のようにも書いています。
<「ブラック呼ばわりされないために接し方をソフトに変えることは必要。
だが一方で彼らをとことん鍛え上げねば会社に未来はない」。
それが今回取材した専門家の共通の認識でもある。>
次回は、どのように教育していくべきか、を取り上げます。
日経ビジネスの特集記事 #3
それをやったら「ブラック企業」 今どきの若手の鍛え方 2013.4.15 2/3 2013-12-31 23:35:50
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
少子化時代の教育術
日経ビジネスは、教育方法には3つあるとしています。
1.1人ではなくチームで鍛える
2.成長の成果を毎日伝える
3.時間をかけて焦らず育てる
1.1人ではなくチームで鍛える
伊藤忠商事のケースを紹介しています。
山登りはペースや疲労の度合いは個人差があるため、遅れる者が出てきます。そうした中で互いの体調を気遣い、脱落者が出ないように協力することを通じて、チーム力を実感させる訓練を行なっているのです。
2.成長の成果を毎日伝える
ジャスダック上場のIT(情報技術)ベンチャー、アイルでは新人に日誌を書かせ、上司や社長のコメントやアドバイスを見て、日々成長していると感じてもらう訓練を行なっています。
意外かもしれませんが、<寂しがり屋が多く、他者に認めてもらいたい承認欲求が強い。孤立させず、「いつも見ている」というサインを出すことが、何よりの意欲
活性化策にある」>からと、「らしさラボ」の伊庭正康氏は解説しています。
3.時間をかけて焦らず育てる
三井ホームは新人研修の内容を変えたそうです。
以前は、すぐに現場へ営業として配属し、OJT(職場内訓練)で鍛えあげることを原則としていたということです。
今では、営業現場にすぐに送り込むのはやめ、全国の建築現場に配置し、住宅の基礎工事、内装、引き渡しまで、家作りの一連の作業を学ぶという流れになっているそうです。
次回は、ブラック呼ばわりされる、誰でも知っている企業のトップが語った内容と「ブラック企業」を社員の側から書かれた本の内容をお話します。
日経ビジネスの特集記事 #3
それをやったら「ブラック企業」 今どきの若手の鍛え方 2013.4.15 3/3 2013-12-31 23:55:07
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
「ブラック企業」と言われつつあるファーストリテイリングの会長兼社長、柳井正氏が語る「ブラック企業」とは?
<「ブラック企業」と言われるようになったのは、我々がグローバル戦略を本格化してからです。>
<離職率が2~3割であれば普通でしょう。しかし半分はさすがに高い。>
<今後は実務以上に、社会人としての基本的な心構えを教えていくつもりです。店長とはその店舗のリーダーである。人間として、社会人として、そしてリーダー
としてどうあるべきかを教えていきます。>
<日本の若い人は今後、海外の若い人と競争しなくてはなりません。それも競争相手は先進国だけでなく、新興国の人々も含まれる。その中で、旧来型の制度を守っていては、やっていけないと思っています。>
<「ブラック企業」という言葉は、旧来型の労働環境を守りたい人が作った言葉だと思っています。けれど我々には、それはできませんよ。>
<海外では本当に強いところしか評価されません。強くないと生き残れないんです。>
柳井氏の言葉は強烈ですが、企業業績は好調で、説得力があります。
反論することは至難の業でしょう。
日経ビジネスは、「ブラック企業」を企業側から見てどのようにしてブラック呼ばわりされないようにするか、に重点を置いてレポートしました。
社員側から見た「ブラック企業」とは?
次は、社員側から見た、「ブラック企業」を解説した本をご紹介しましょう。
それは、ブラック企業、世にはばかる(光文社新書) 蟹沢孝夫
です。
著者・蟹沢孝夫氏はキャリアカウンセラーで、就職支援サービスに長年携わってこられた方です。
この本の中で、蟹沢氏はブラック企業をブラック職場と置き換え、3つのタイプに分類しています。
1.肉食系ブラック職場
2.草食系ブラック職場
3.グレーカラー職場
順に蟹沢氏の定義を見てみましょう。
1.肉食系ブラック職場
労働や社会保険の分野で守られるべきルールが守られず、酷(ひど)い環境(仕事量、勤務時間、安全衛生面、職場の雰囲気など)のなかで働かされ、適正な賃金も支払われなかったりする仕事に従事する人たちが集まっている、生存競争が厳しい職場
肉食系ブラック職場は「ブラック企業」の典型です。
2.草食系ブラック職場
やること自体は比較的ラクで、そのぶん待遇も決していいとはいえないがなんとか暮らせるので、その気になれば長く続けられる仕事も存在する。しかし、こうした仕事を続けているうちに、人生における大切な時間や将来性を少しずつ奪われてしまう。
「ゆでガエル」が当てはまるでしょう。
ゆでガエルとは次のようなことを指します。
<カエルにとっては生死にかかわる温度(40度くらいといわれる)のお湯のなかに、カエルをいきなり放り込むと、カエルはびっくりして必死に容器の外へ飛び出して助かる。しかし同じカエルを水をはった器に入れ、じょじょに熱していくと、カエルはぬるま湯に慣れて飛び出すタイミングを失い、やがてゆでられて死んでしまうというものである。
環境にどっぷりつかっていると、その変化に鈍感になり悪化しても気づかない。微温的な居心地のよい環境に馴れてしまうと、自分の情報感度の鈍さ、視野のせまさにも気づかないまま危機的な状況を招いてしまうという教訓である>
(『やる気 やるチャンス やる力』 高原慶一朗 日経BP社)
3.グレーカラー職場
世間的には勤務条件・職場環境などに恵まれ、優秀な大学を出たエリートホワイトカラーの勝ち組就職先として認知されているが、一皮むくとその実情はブラックだったという職場
ある意味では、内と外から見た実情と虚像のギャップが大きく、ストレスを貯める職場といえるかもしれません。
このブログを読まれている方にも心当たりがある職場では
ないでしょうか?
🔷 編集後記
9年前の記事ですが、ブラック企業はなくなっていないと思います。
ただメディアがこの件について報道しなくなっただけです。
メディアは常に新しいテーマを追いかけます。手垢のついた、既に何度も取り上げられたテーマはめったに扱いません。
読者が「またかよ~」とじっくり考えることもなく、条件反射的に判断して読まれないからです。
非正規雇用者は確実に増えているはずです。次の記事をご覧ください。
その割合の推移が一覧できます。右肩上がりで増加していることが分かります。
労働力人口(非正規割合の推移) ~増える非正規、変わる非正規~ 2021.1.26
非正規雇用者
「ここ30年の間に非正規雇用者はその数でも、雇用者に占める割合でも大きく増加してきました」
「平成元年の非正規割合は約20%でしたが、平成31年には約40%と、雇用者の5人に2人が非正規雇用者となっています」
非正規活用の問題点を指摘しています。
「例えば、非正規雇用者の賃金の低さ、経年での賃金上昇の少なさ、社会保険へ未加入などです」
今後の課題
「今後は非正規雇用者の処遇が正規雇用者並に引き上げられること、非正規雇用者の正規雇用化が進むことが見込まれます」
しかし、実際にはそう簡単には進まないと考えています。
一旦出来上がった構造を破壊し、再構築することは容易なことではないからです。