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対コロナ戦 日本は強くなったのか 2022.11.14 2/3

【『日経ビジネス』の特集記事 】 #29

✅はじめに

⭐『日経ビジネス』の特集記事から、私が特に関心を持った個所重要と考えた個所を抜粋しました。
Ameba(アメブロ)に投稿していた記事は再編集し、加筆修正し、新たな情報を加味し、再投稿した記事は他の「バックナンバー」というマガジンにまとめています。

⭐原則として特集記事を3回に分けて投稿します。
「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」です。
プロフィールから)


日経ビジネス電子版セット(雑誌+電子版)「らくらく購読コース」で、2022年9月12日号から定期購読を開始しました。



日経ビジネスの特集記事 #29

対コロナ戦                 日本は強くなったのか          2022.11.14 2/3

<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>

PART 2 脆弱さ露呈したワクチン産業  日本発、いまだ実現せず  業界再編の議論は必至

コロナワクチンは米国の製薬会社が先行し、日本の製薬会社は後塵を拝しています。と言いますか、まだ日本発のワクチンは出現していません。

この事態を重視するのは当然のことと言えましょう。

そんな中、米国モデルナが改良ワクチンの開発を行ない、説明のために最高医療責任者(CMO)が来日しました。

2022年5月下旬に来日したモデルナ最高医療責任者(CMO)のポール・バートン氏は、変異型に対応するために開発している改良ワクチンについて説明。オリジナルの武漢型とベータ型に由来する抗原を組み合わせた「2価ワクチン」が、臨床試験ではオミクロン型やデルタ型のウイルスに対しても免疫反応が得られたと語った。

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コロナウイルスは頻繁に変異するため、改良ワクチンの開発が必至になっています。

22年前半はオミクロン型でも「BA.1」「BA.2」の系統が主流だったが、年央には「BA.4」「BA.5」が強く警戒される状況になっていた。

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「BA.1」「BA.2」「BA.4」「BA.5」の違いは専門家ではない私にはよく分かりませんが、オミクロンの変異型を区別するために名付けられたものです。

コロナ オミクロンBA.4とBA.5とは何?

ググってみたら、次のウェブサイトが見つかりました。

結論としてBA.4とBA.5は、これまでの変異株や亜系統と比べて感染力がさらに強く、また過去の新型コロナウイルス感染やワクチン接種によって得られた免疫を回避するという特徴があります。

コロナ オミクロンBA.4とBA.5とは何?
2022.07.11


米国ではワクチン開発が速いだけでなく、米食品医薬品局(FDA)の対応も速く、迅速に結論を出す体制が整っています。

その経緯を記事から抜粋します。

「BA.4-5対応ワクチンを、『臨床試験のデータなしで緊急使用許可(EUA)する』というのは異例の出来事で驚いた」と今村取締役は言う。結局モデルナ、ファイザーともBA.4-5対応ワクチンの開発にかじを切り、8月20日過ぎにFDAに承認申請を提出。FDAは推奨してから2カ月後の8月末に両社のワクチンにEUAを出した。通常なら10年近くかかるワクチン開発を1年足らずで終わらせる「ワープスピード作戦」を実行した米国だけあり、変異型対応でも異例のスピードを見せた。

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*今村取締役(日本法人のモデルナ・ジャパンで承認申請業務などの責任者を務める今村均取締役)


日本企業は周回以上の後れ

官民一体でワクチン開発を急ぐ米国と比べ、日本は官民の足並みが揃わず、日本企業は周回以上の後れをとっているということです。

変異型への対応で実用化にこぎ着けたのは、「ファイザー・ビオンテック連合」と「モデルナ」の2グループだけ。英アストラゼネカや米ジョンソン・エンド・ジョンソングループのヤンセンファーマは変異型対応ワクチンを開発していない。

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ワクチン開発の「勢力図」をご覧ください。

米欧アジアでワクチンの実用化が進んでいる
●世界保健機関(WHO)の緊急使用リスト(EUL)に掲載されている
新型コロナワクチン
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日本でも一時、コロナワクチンの開発を行なうと宣言した、東証グロースに上場しているアンジェス(4563)がありましたが、残念ながら開発を中止すると発表しました。

20年3月に真っ先に「新型コロナワクチンを開発する」と宣言し、臨床試験などでも先行してきたスタートアップのアンジェスは、22年9月にDNAワクチンの開発を中止すると発表した。塩野義製薬、第一三共、明治ホールディングス傘下のKMバイオロジクスなども臨床試験を行っているが、いずれも対象としているのはオリジナルの武漢型だ。

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アンジェス(4563)

日経電子版 2022年12月25日(日)


ノババックスから技術導入して山口県の工場でワクチンを自社製造した武田薬品の例を除くと、日本オリジナルのワクチン開発は残念ながら道半ばだ。少なくとも新型コロナワクチンについては、日本企業は周回遅れどころか、変異型対応まで視野に入れると、2周も3周も後れを取りつつあることが分かる。

対コロナ戦 日本は強くなったのか 2022.11.14  p.019


問題はこれだけではありません。

問題は、日本企業が後れを取っているのが新型コロナワクチンに限らないことだ。ファイザーもモデルナも、新型コロナで一世を風靡したmRNA技術を使った季節性のインフルエンザワクチンの最終段階の臨床試験を行っている。モデルナはさらに、新型コロナと季節性インフルの両方の抗原を含むmRNAワクチンの臨床試験にも着手しており、1回の注射で呼吸器感染症を回避できる未来を目指している。

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日本は周回どころか2周も3周も後れを取りつつあることは間違いなさそうです。


現在ある新型コロナ向けの治療薬やワクチンの一覧表がありますので、ご覧ください。

新型コロナ向けの治療薬・ワクチンも増えてきた
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海外製には参入障壁

国内ワクチンメーカーはインフルワクチンが支えとなっていることは一般的に知られていない事実でしょう。

言い換えれば、インフルワクチンで稼いでいるので、敢えてコロナワクチンの開発に時間とカネをかけるという選択肢は排除されたと言えるのかもしれません。

ワクチンの生産量で圧倒的に多いのはインフルワクチン。09年以降は外資企業のワクチンも少しずつ増えたが、それ以前は日本のワクチン産業は国内企業がほとんどだった。

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歴史的には国内には中小規模のワクチン企業が数多く存在し、市場を分け合ってきた。10年以降は大手製薬による再編が進んだが、投資が十分になされているとは言い難い。例えば第一三共は製造がうまくいかないことを理由に、21年に4種混合ワクチンから撤退した。そんな状況でドル箱のインフルワクチンに外資が参入してくると、国内企業の経営に影響が及ぶことは想像に難くない。

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このような事情があるため、国内ワクチンメーカーは参入障壁を高くする施策を採ってきたのです。


次の表をご覧ください。国内ワクチンメーカーがいかにインフルワクチンを製造してきたかが一目瞭然です。

国内ワクチンメーカーの経営はインフルワクチンが支え
●日本の主要ワクチンの生産な量(輸入ワクチンは輸入量)左グラフ
●主なワクチン企業と主な製品 右表
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こうした現状を考慮すると、外資の参入は国内ワクチンメーカーにとって極めて頭の痛い問題となります。

インフルワクチンへの外資参入によって危惧されるのは、国内企業の経営悪化によって小児用ワクチンの供給に支障が生じないかという点だ。山西理事長は、「小児用ワクチンは国内で開発製造していくべき」と主張する。小児用ワクチンも輸入すればいいという声もあるが、縮小が続く日本の小児用ワクチン市場に投資する外資企業は存在するのだろうか。

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*山西理事長(阪大微生物病研究会の山西弘一理事長)

今後は業界の再編、規制や制度の見直し、国際調和が必要になってきていますくるでしょう。

コロナ禍を通して、国民は日本のワクチンの研究開発力の乏しさを認識した。渦中の今こそ関係者が知恵を出し合って、国境を越えた業界再編や、規制や制度の国際調和について議論すべき時ではないだろうか。

対コロナ戦 日本は強くなったのか 2022.11.14  p.021


次回は、

PART 3 社員をむしばむコロナ後遺症      感染の傷痕「後遺症」に           社会と会社で対応せよ

PART 4 一変したサプライチェーンとモノづくり コロナが迫る経営革新           「ウィズ時代」の幕開け


をお伝えします。 



🔷 編集後記

国内ワクチンメーカーはどうしてコロナワクチンを開発できないのか、という疑問が氷解する特集記事でした。

海外の製薬会社と協業するという課題を解決することが出来るかどうかは、はっきりとは分かりません。

ただし、現状のままでは生き残ることはできても、ジリ貧となり、いつか海外の製薬会社に飲み込まれてしまうのではないかと危惧しています。


国内の製薬会社は世界的に見ると規模が小さく、世界的なプレゼンスが乏しいというのが現実です。

【2021年版】製薬会社世界ランキング
トップ3はロシュ、ノバルティス、メルク…
買収でアッヴィやブリストルも売り上げ拡大
Answers News  2021/05/17


【2021年版】製薬会社世界ランキング
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Answers News  2021/05/17


⭐出典元:Answers News 2021/05/17


日本一の売上高を誇る武田薬品工業でも世界売上高ランキングでは世界10位です。
首位のロシュの半分以下です。

日本の製薬会社が上位に食い込むことは容易なことではありません。単体では不可能でしょう。



⭐ 私の回想録


⭐ 私のマガジン (2022.12.26現在)

























   

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藤巻 隆
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