伊藤雅俊の商いのこころ 第9回
伊藤雅俊の商いのこころ 第9回
セブン-イレブンの営業権を取得するまでは、紆余曲折があったようです。伊藤さんは腹が座っていました。
自分のことをペシミストと言っているくらいですから、決断までにはいろいろなことが去来したことでしょう。
私は、迷いに迷った末、最悪の場合、一千億円の損失を覚悟して、神様を拝む気持ちで引き受けることにしました
サウスランドの再建は想像以上の苦労の連続でした。何とか格好がついて、これでもう大丈夫と安心できる状態にするまでに十年かかりました
土地や株式さえあれば何でも可能になるような傍若無人の「含み経営」を目の当たりにし、そこから最も距離を置いた経営に徹した私に、迷いがなかったといえば嘘になります
⭐出典元 『伊藤雅俊の商いのこころ』
➳ 編集後記
この記事を最初にアメブロに投稿したのは、9年前(2014-04-29 22:26:10)のことです。
伊藤雅俊さんは2023年3月10日に逝去しました。享年98歳でした。
ご冥福をお祈りします。
伊藤さんは自分のことを評して「ペシミスト」と語っていますが、経営者は最悪のことを頭に入れてじっくり考え、決断出来たら速やかに実行するという責任があります。それができなければ経営者になるべきではありません。
日本株ストラテジストのピーター・タスカ氏の「賢者は最善を望みながら、最悪を覚悟する」という言葉が蘇ってきました。
🔴「私は、迷いに迷った末、最悪の場合、一千億円の損失を覚悟して、神様を拝む気持ちで引き受けることにしました」
「一千億円の損失」と一口でいうことは簡単ですが、莫大な金額です。
いくら創業家の人物だとしても、失敗したら退任することを覚悟していたことでしょう。
いろいろなことが頭の中を駆け巡ったはずです。
最終的に買収を決断したのは、それでも勝算があると確信が持てたからだと推測します。
サウスランド社との交渉を取りまとめたのは、大手出版取次のトーハン出身の鈴木敏文氏でした。後にセブン&アイ・ホールディングス会長兼最高経営責任者(名誉顧問)となりました。(Wikipedia 「鈴木敏文」より)
(1,616文字)
⭐回想録
⭐クリエイターのページ
⭐大前研一 名言集
⭐伊集院静 大人の流儀
⭐堀 紘一 名言集
⭐盛田昭夫 名言集
⭐伊藤雅俊の商いのこころ
⭐カリスマコンサルタント 神田昌典
⭐塩野七生 マキアヴェッリ語録
いいなと思ったら応援しよう!
サポートしていただけると嬉しいです。
サポートしていただいたお金は、投稿のための資料購入代金に充てさせていただきます。