【五木寛之 心に沁み入る不滅の言葉】 第20回
『生かされる命をみつめて 自分を愛する 編』 五木寛之講演集
五木寛之さんの『生かされる命をみつめて 自分を愛する 編』から心に沁み入る不滅の言葉をご紹介します。
五木さんは戦時中から特異な体験をしています。
「五木さんは生まれて間もなく家族と共に朝鮮半島に渡り、幼少時代を過ごしました。そこで迎えた終戦。五木さんたちは必死の思いで日本に引き揚げたそうです」(「捨てない生活も悪くない」 五木寛之さんインタビューから)
今年9月に90歳になるそうです。今日に至るまで数多の体験と多くの人々との関わりを掛け替えのない宝物のように感じている、と思っています。
五木さんは広く知られた超一流の作家ですが、随筆家としても、講演者としても超一流だと、私は思っています。
一般論ですが、もの書きは話すのがあまり得意ではないという傾向があります。しかし、五木さんは当てはまらないと思います。
「生きているだけで」から
五木寛之の心に沁み入る不滅の言葉 1 (58)
「生きているだけで」から
五木寛之の心に沁み入る不滅の言葉 2 (59)
「生きているだけで」から
五木寛之の心に沁み入る不滅の言葉 3 (60)
出典元
『生かされる命をみつめて 自分を愛する 編 五木寛之講演集』から
2015年10月15日 初版第1刷発行
実業之日本社
✒ 編集後記
『生かされる命をみつめて 自分を愛する 編 五木寛之講演集』は、講演集ということになっていますが、巻末を読むと、「2011年8月東京書籍刊『生かされる命をみつめて』『朝顔は闇の底に咲く』『歓ぶこと悲しむこと』に加筆の上、再構成、再編集したものです」と記載されています。
裏表紙を見ると、「50年近くかけて語った講演」と記されています。それだけの実績があります。
🔷 「百人いたら百通りの人生がある。そして、そのひとりひとりが精いっぱいのなかで、この世の中で、体というもの、心というものを必死で支えながら、とりあえず生きている。生きているというだけで大変なことじゃないかということを、私はどうしても感じないわけにはいきません」
私は、娘から話があると言われた時、ピンときました。
良い人が見つかったのだなと。
以前から娘には言っていました。
「お前の人生なのだから、お前が選んだ人ならどのような人でも私は反対しないよ」と。
ドラマを観ると、娘が好きな男性を連れてきて、両親の前で「この人と結婚したいのです」と語るシーンがあります。
すると父親は、男性に向かって「どこの馬の骨かわからんやつに娘はやれん」というセリフが発します(最近のドラマではまずありませんが)。
私は、「何を言っているんだ」と心の中で思います。
そういうあなただって、奥さんの父親から同じように思われていたはずだろうと。あなただけ特別なわけはない!
親が子供の幸せを願っているなら、子供が配偶者に選んだ人をそのまま受け入れることだと思うのです。カッコつけているのではありません。
私は変わっていますか?
⭐ 参考データ
「人生」とは何か?4つの人生観を知って自分の人生を生きよう!
死生観とは生と死の考え方。その日に備えて自分と向き合おう
🔶 五木寛之さんの言葉は、軽妙洒脱という言葉が相応しいかもしれません。軽々に断定することはできませんが。
五木さんの言葉を読むと、心に響くという言うよりも、心に沁み入る言葉の方が適切だと思いました。
しかも、不滅の言葉と言ってもよいでしょう。
著者略歴
五木寛之ひつき・ひろゆき
1932年福岡県出身。早稲田大学露文科中退。67年、直木賞受賞。
76年、吉川英治文学賞受賞。
主な小説作品に『戒厳令の夜』『風の王国』『晴れた日には鏡をわすれて』ほか。
エッセイ、批評書に『大河の一滴』『ゆるやかな生き方』『余命』など。
02年、菊池寛賞を受賞。
10年、『親鸞』で毎日出版文化賞特別賞受賞。
各文学賞選考委員も務める。
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