世界を変えるスマロボ 先行く米中 出遅れる日本 2014.09.15 1/2 2014-09-19 20:34:02
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
世界を変えるスマロボ 先行く米中 出遅れる日本 2014.09.15 1/2 2014-09-19 20:34:02
CONTENTS
PART 1 「スマロボ」生態系、米で産声
PART 2 侮れない中国“机器人(ロボット)”
PART 3 世界は「アトムを求めない」日本復活への道しるべ
第1回は、
PART 1 「スマロボ」生態系、米で産声
を取り上げます。
今週の特集記事のテーマは
新たな潮流が加わろうとしている。
「スマートロボット(スマロボ)」である。
これまで日本が目指してきた、1体ずつ独立して
動く人型ロボットではない。
飛んだり会話したりといった個別機能に特化した
ロボットが、ネットやクラウドでつながり、協調する。
その目的は、社会をより便利にし、人と人との距離を
もっと縮めることにある
です。
まず、下の画像をご覧ください。
右手前に写っている白い物体は何だと思いますか?
一見すると掃除機の類に見えますが、これが「スマロボ」です!
警備ロボット「K5」だそうです。
言ってみれば、移動型防犯ロボット、あるいは移動型防犯カメラですね。
スマロボで米中が先行し、日本は出遅れている、と日経ビジネスは伝えています。
日本のロボットは、当初工場の現場に導入されました。危険な作業や単純作業を作業員に代わってやらせ、コストを削減するのが目的でした。
しかも、24時間稼動も可能でした。ロボットが導入されるまで、作業員が24時間を8時間ずつの3交代制で対応していました。
米中はロボットの使い方を別の視点で捉え直したのです。
インターネットやクラウドに「つなげ」、単独ではなく連携させる方向性を志向したのです。
日本はどうも世界の潮流とは違った方向へ進んで、孤立してしまうことが多いですね。
「ガラパゴス化」です。
スマホが世に出る前の初期の携帯電話で、ガラパゴス化と揶揄されました。
日本国内でしか使えなかったのです。
インターネットの有効活用が十分に検討されずにスタートし、他国に先行していたはずが、あっと言う間に、追いつき追い越されてしまったという歴史があります。
PART 1 「スマロボ」生態系、米で産声
日経ビジネス取材班は米国に乗り込み、スマロボの実態をつぶさに観察し、今特集記事でリポートしています。
そのうちのいくつかをご紹介しましょう。
最初は、ホテル内でのスマロボの試験的運用です。
下の画像が、「バトラー」です。
日本人の感覚からすると、味も素っ気もないただの機械といった体ですが、作業を特化したことで、「開発当初は1台約5000万円もした」そうですが、
「運ぶことに特化し、それを確実にこなせる今の形になり、価格も下がった」(p. 031)ということです。
話はそこで終わりません。このロボットを他のロボットと連携させることで、もっと多くのことをこなすことができるそうです。
ホテルのサービスの幅が広がり、顧客満足度の向上が見込まれるということです。
シリコンバレーは、ベンチャー企業が集積している地域として有名です。今まではコンピュータ関連のベンチャーが多かったわけですが、最近ではロボット市場に参入するベンチャーが増えているそうです。
スマロボの用途はこれだけではありません。
最初の画像をご覧いただきましたが、警備ロボット「K5」が実稼働しています。
さらに、ドローン(ラジコンヘリのようなもの註:藤巻隆)との連携により、「役割を分担すれば、地上と上空の双方から不審者を検知でき、犯罪を発見する能力が高まる」(p. 033)ことになります。
問題は個人のプライバシーをどう保護するかです。これは一筋縄ではいかないでしょう。法規制をどうクリアするかは今後の課題です。
グーグルの動きが不気味です。
グーグル、見えてきた野望
しかし、シャフトにかつて籍を置いていた加藤崇氏はこう話しています。
「日本人はその重要なターゲットだ」(p. 034)
その実例があります。
この話には伏線がありました。
グーグルで自動運転車とロボット事業の中核を担うジェームズ・カフナー氏がラブコールを送り続けていたそうです。
2人は、「1990年代後半、東大のロボット研究室で一時顔を突き合わせていた仲」(p. 034)だったそうです。そこに接点があったのですね。
この「事件」の背景について同研究者に近い関係者はこう話しています。
この辺りの経緯を考えますと、例えは悪いですが、新興宗教を隠れ蓑にしたテロ集団・オウム真理教のことが思い浮かびました。
オウム真理教に入信した、日本の優れた科学者や技術者が自分がやりたいことをやらせてくれる環境に身を投じたことは、心理的に相通ずることだと思いました。
ただし、オウム真理教に入信し、悪事と自覚していながら犯罪に手を染めた科学者や技術者は犯罪者であり、許されることはありません。
話を戻します。
「報酬は関係ない」と言いますが、グーグルが提示する金銭面の条件は日本ではなかなか実現できない額です。
グーグルは一体何を目指しているのでしょうか?
グーグルはロボットベンチャーを買収した件について、一切公表していません。
日経ビジネスは、次のように推測しています。
「世界中の情報を整理する」というグーグルのミッションステートメント(使命)にヒントがある、と語っています。
これはどういうことなのでしょうか?
日経ビジネスは、グーグルの狙いを次のように断定しています。
それにしても、頭脳流出は、日本にとって大きな損失になりかねません。
次回は、
PART 2 侮れない中国“机器人(ロボット)”
PART 3 世界は「アトムを求めない」日本復活への道しるべ
をお伝えします。
🔷編集後記
この特集記事(元記事)が公開されたのは、9年前のことで、アメブロでも9年前(2014-09-19 20:34:02)のことでした。
今回、大幅に加筆修正しました。
米国からはなぜ新しい技術や考え方が出てくるのか?
まず、日米を比較すると、大きな違いがあります。
それはチャレンジ精神があるかないかです。
では、なぜ米国はチャレンジ精神があり、日本にはないのか?
それを考えてみました。
私の個人的な見解ですが、日本人と米国人で才能に大きな差はないと思っています。
しかし、現実には大差がついています。所得においても、金融資産においても、ノーベル賞などの世界的な評価にしても。
例えば、日本人でノーベル経済学賞を受賞した人は一人もいません(2023/09/26 現在)。米国には多数存在します。
私は、極めて重要な点が2つあると考えています。
それは、米国からイノベーションやベンチャー企業が数多く出現する理由でもあります。
1つ目は、チャレンジし、仮に失敗しても評価されることと再チャレンジ(敗者復活)が認められていることです。
米国では経営に失敗した経営者を評価し、採用することがあります。失敗という経験を活かし、「こういうことをしたから失敗したのだからそれはやらない」という貴重な知見を得た人物を採用するのです。その経験が高く評価できると考えているからかもしれません。
日本の官僚システムでは、一度失敗すると二度と出世する機会はありません。そうであれば、誰もリスクを負ってまでチャレンジしません。安全策しか採らないのは当然のことです。失敗は命取りですから。
その点は企業においても少なからずあります。失敗すれば地方に左遷されたり、子会社へ異動になり二度と元の部署には戻れなかったり、時には解雇されます。
2つ目は、ベンチャー企業に対してベンチャーキャピタルやエンジェル投資家と呼ばれる組織や個人がリスクを負って投資するからです。
例えば、ベンチャー企業10社に投資するとして、仮にその10社のうち8社が破綻したり、思うような成果を出せなかったとしても、残りの2社が大化けすれば、莫大なお金を手に入れる可能性があります。
上場前の規模の小さなスタートアップ企業やユニコーン企業(時価総額10億ドル=約1500億円)に投資し、上場後、莫大な金融資産を築くことがあります。
エンジェル投資家の多くは、自ら起業し、会社がある程度大きくなったところで売却し、大金を手にします。そのお金を今度はベンチャー企業に投資するのです。複利効果で資産を雪だるま式に増やすことが可能になります。
例えば、元金を2倍、10倍、5倍にできれば、2×10×5=100で元金を100倍にできることになります。
重要なことは、彼らもリスクを負ってチャレンジしていることです。
日本では、税制や規制などによってやりにくいという点があるかもしれませんが、私が知る限り、エンジェル投資家の数が極端に少ないと感じています。
米国にはこのような土壌があるため、チャレンジ精神が育っていきます。
日本でも同様なことができないことはないと思いますが、今までの日本社会には挑戦し、失敗したことを好意的に受け止め、再チャレンジを奨励する風土がありませんでした。失敗は即、人生における「死」を意味しました。
社会制度やルールは、一朝一夕に変えられるものではありませんが、変革しなければ日本はこのまま沈んで行ってしまいます。
日本にとって悲しい結末は次のようなことです。
「日本沈没」は物理的に沈没することではなく、先進国との競争ばかりか、新興国との競争にも敗れ、日本のパーパス(存在理由)を喪失させてしまうことです。
少子高齢化が加速度的に進行し、高齢者が多くなった国は活力が失われるため、イノベーションや社会変革機運は生まれてきません。
最後に残るのは、ほとんど国民のために役に立たない議員と官僚たちだけということになるかも知れません。国民の過半数が公務員というギリシャのようにレガシィ(遺産)に頼るだけの国になってしまいかねません。
そのような状態が続けば、一部のチャレンジ精神の持ち主は日本を捨てて、海外へ脱出することになるでしょう。自分を高く評価してくれる国へ移住する人たちが増えてくるかもしれません。
その際、生活環境や商習慣の違いに慣れるまでの時間を要します。
もちろん、自分が思い描いたようにはならないリスクはあります。それでもチャレンジ精神が旺盛な人は何度でもチャレンジし、自分の夢や希望を実現するでしょう。
⭐参考データ(BingAIの回答)
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