春待ちの日々|さくらMemory
3月、なかなか温くならなくて、嫌気がさしていた。
髪のブリーチで頭皮がただれていたこともあって、しばらくは鬱々とした気分だった。
春が待ち遠しかった。
桜といえば思い出すのは、2020年の春。
お花見を楽しめなくなった。
お花見は不要不急の外出であり、感染の機会になるから。
だから、夜の公園に、家族でこっそり出かけたことを思い出す。
夜桜なんて、子どもができてから見にいったことがなかった。
いつも見慣れた公園で、街灯に照らされていた桜は新鮮だった。
そういう時間を持てたことが、保育園児と一緒だった頃は嬉しかった。
やっと暖かくなって二日目の日曜。
今日こそ桜が咲いているんじゃないかと思って、ひとりで外に出た。
まだ、ちょろっとしか咲いていなかった。
だから、もうちょっと遠くまで歩いた。
暖かくなると、いろんな生き物が動き出し、妙に浮き足立ったり気分が晴れやかになったりする。
生きてる。
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