ラグビーのW杯が終わってみて
南アが最強だった今回のW杯
エディーに奇策があると思った。何かしらイングランドは仕掛けてくるだろうと予想していた。オールブラックスに完勝した彼らは世界一の自信を持って挑んだ決勝だった。
しかし、勝負強さを見せたのは南アフリカだった。そこには、勝負師としての強さを見せた、自信溢れるスプリングボクスがゲームを支配した。
決勝にピークを持ってこれた南アの幸運
大会全体を見直して見ると、南アはある日程に恵まれた。大会前のテストマッチをホームチームの日本と行い、雰囲気をつかんだ。
予選プール初戦はオールブラックスに惜敗するも、雰囲気を引き締め、自分達の仕上がりを確認できた。
その後の試合はローテーションしながら無難に勝ち、決勝トーナメント前に十分な休息まで取れた。
さらに幸運だったのが、オールブラックス、オーストラリア、イングランドが別の山となり、調子がイマイチのフランス、ウェールズ、そして因縁の日本と同じ山になったことだ。
つまり、本当の強敵は決勝に、現れることになった。
準決勝にピークが来たイングランドの不幸
一方のイングランドは、準決勝で当たることが確定していたオールブラックスを意識せずにはいられなかった。世界最強の相手をW杯で倒せるのか、そのためには何が必要か、エディージョーンズは考え続けてきた。
そして、準決勝で最高のパフォーマンスを発揮したイングランドは、勝利した直後に、喜ぶ元気も残っていないように見えた。自分達の最大の難関は突破した。あたかもスコットランドに勝利したジャパンのようだった。
しかし、大きな違いは、バカ喜びしていた日本に対し、大きすぎる目標を完璧なまでに遂行したイングランドは燃え尽きてしまったように見えた。
俺たち、ついにやったのか。。次の決勝が終わってはじめてミッションコンプリートだが、スタジアム全体も試合を見ていたファンも、これはイングランドだな、、、そう思ったはずだ。
しかし、この若いチームには、それが大事な決勝で大きな重圧としてのしかかる。油断してはいない。しかし、冒険心は失った。
今後のラグビーの潮流
南アフリカ、イングランドともにフィジカルを全面に打ち出し、守備でプレッシャーをかける。スクラムやラインアウトのセットプレイは確実にマイボールをキープする。反則しない。
基本中の基本を出来たチームが最後まで残った。このスタイルは今後しばらく続くのか。
では、ジャパンやオールブラックス、オーストラリアは自分達の哲学を変えるのか。おそらく答えはNOだろう。何かそこにある隙を見つけ、フィジカル一辺倒の闘い方をいなす、解があると信じている。
よりフィールド内を走り回り、プレーが継続する、アンストラクチャーなチームが優勢になるような戦術があるはずだ。
来年7月の日本vsイングランドのテストマッチは、それを占う意味でも、本当に楽しみだ。