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第3回 まず振り向いてもらうための「理念の表現」

1 話を聞いてもらうために、最初の一言にこだわる

 第1回、2回と「中堅中小企業や不人気業界の企業であっても、大手や人気ブランド企業に負けない、勝つ採用ができる」こと。その解決策となる「理念採用」とはそもそもどんな採用なのかについてご紹介してきました。

 「理念採用」とは、「自社が信じて掲げている経営理念を共有できるか否か、合うか合わないかで採用、不採用を決める」ことです。

 そして「“合う”と知ることで、“愛”も生まれる」可能性があるのです。

 理念採用の前提として、自社の理念、“アツい思い”を知ってもらうために「あらゆる手段で、1人でも多くの人に知ってもらう努力を」とお話ししました。

 また正直でアツい思いは誰かに届くということを、例を挙げてご紹介しました。

 第3回となる今回はさらに掘り下げ、まず振り向いてもらうための理念の表現方法について具体的なノウハウをいくつかご披露してみようと思います。

 “中堅中小企業や不人気業界の企業”がアピールできることといえば、すでに触れたように突き詰めると最後は“思い”しかないのですが。かといって、いきなり通りすがりの人(採用でいえば求職者や学生)をつかまえてこう言ったらどうでしょうか。

 「“思い”の強さでは大手には負けません。一度話だけでも聞いてもらえませんか」。よほど困っている人か、暇な人でない限り、間違いなく相手は引いてしまいますね。

 話を聞いてもらうためには最初の一言がとても大事です。

 採用活動においては、キャッチセールスのように街角で声を掛けるわけではありません。最初の一言は、求人広告でいえば最初の1行のキャッチフレーズ、合同説明会などでは自社ブースに掲げる垂れ幕のキャッチフレーズということになります。

 キャッチフレーズが100文字もあると読んではもらえません。面倒くさいから後回しにされるか、最悪は無視されてしまいます。

 そもそも昨今の求人広告の主流はネット。大手の求人サイトではよほどのお金を掛けて特別企画やバナーなどを契約しない限り、見た目は同じような文字と一部写真の組み合わせになっています。

 ポスターのように文字の大きさや書体を工夫し、イラストや写真と組み合わせたデザイン表現はできません。

 すなわち文字数、大きさ、書体があらかじめ決まった1行目のキャッチフレーズが勝負なのです。せいぜい20文字前後以内が限界でしょう。俳句の5-7-5の17文字に近い世界です。

 限られた文字数で理念の“アツい思い”をどのように表現するかは、“中堅中小企業や不人気業界の企業”にとってものすごく重要なのです。

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