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MaXXXine マキシーン(2024)
物凄く気に入っているわけではないが、タイ・ウェスト監督&ミア・ゴス主演タッグの「X エックス」も「Pearl パール」も観たし、3部作の3作目だから観ておこうと思っていた「MaXXXine」が、全米では今年の7月5日に公開されたものの、日本の公開日はいまだアナウンスされないまま年末を迎えようとしている。
このままじゃ、いつ観られるかわかんないなぁ…と思っていたところ、ロサンゼルスに出張したら、すでにパッケージが販売されており、日本では多分発売されないであろう4K UHD版まであったので買ってきて見た。
「MaXXXine」は、1作目「X エックス」で唯一生き残ったマキシーンが、1985年のロサンゼルスでAVやピープショーなどに出演しながら映画のオーディションを受け、"スター女優"としての成功を目指す姿を描く。
しかし、その頃、ロサンゼルスではナイト・ストーカーと呼ばれる連続殺人事件が起こっていて、マキシーンの周囲にも魔の手が迫っていた… みたいなお話。
今回のミア・ゴスはパールではなくマキシーンなので、前作のような狂った演技にはならず、何をしてでも"スター女優"に上り詰めてやるぞと野心に燃える生命力の強い女性を演じている。
また、黒い手袋をした犯人が殺人を繰り返すあたりは、ホラーではなく(ダリオ・アルジェント監督の動物3部作のような)ジャッロ映画の雰囲気。だから、怖がらせる演出にはならないのだが、殺し方はスカッとえげつない。ま、1番えげつないのは、マキシーンを襲った暴漢が反撃される描写だが…
前作「Pearl パール」では1918年を舞台に凝りまくった映像があり、パールという狂ったキャラクターもいたのでかなりインパクトがあったが、今回はそのどちらもなくてパワーダウンした印象。
ただし、本作がハリウッドを舞台に映画制作の舞台裏をふんだんに見せる作品を作ろうとしたっぽい気配は悪くなく、ヒッチコック「サイコ」のベイツ・モーテルが出てくるあたりは映画ファンとして面白い。
「TENET テネット」で活躍したエリザベス・デビッキが女性映画監督役で登場したけど、あまり印象的な役ではなく残念。逆に、探偵役で出演したケビン・ベーコンは、なんでこんな悲惨な役やってんだ?と不思議。楽しかったのかな??
全体としては、まあまあな完成度かなぁ…と思いつつも、ところどころ面白かったのと、とにかく3部作完結編が見れたことで満足!