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ビバリウム(2019)
※新作「NOCEBO/ノセボ」を観て思うところあったので、2021年に監督の前作を観たときの感想文を引っ張り出してきました。
ロルカン・フィネガン監督「ビバリウム」を観た。新居探し中の若いカップルが、ちょっと奇妙な不動産屋に紹介された住宅地は脱出不可能な迷宮で、他の選択肢はなくそこで暮らしていくしかなくなる。やがて、玄関に赤ちゃんが届けられ…
いわゆる、"カッコウの托卵"ものです。
終始一貫、居心地悪くて、気持ち悪くて、救いのない淡々とした展開は、一般的には楽しくないよな〜と。いや、楽しくなりたい人は最初からこの映画、観に来ないか!
このめっちゃ嫌〜な空気感をよくぞ作ったなとは思う。ある意味、感心してしまう。
劇場映画としては、ちょっと変化球で面白いのだけど、これだけの尺をもたすにはネタ的に物足りなさも残る。
「トワイライトゾーン」の1エピソードみたいに、頑張ってもう少し短くまとめられたら、もっと良かったのかも。それだと単品で劇場にかける映画にはならないけど。
「マイホームという夢」および「結婚、子育て」は、確かに長期ローンを背負って"逃げ場のない淡々と働き続ける日々"を生み出す一大イベントとも言えるのだけど、この映画がそういった一般的な出来事をテーマにしたかったのか、それとも社会の中で労働力を維持することで一生を終える?一般市民とそれを使う支配層?みたいな現代社会の仕組みを風刺したいのか…そこまではちょっとわからない。んだけど、多分、後者かな!?
【2021年3月28日 記】