テラー博士の恐怖(1965)
フレディ・フランシス監督の1965年作品「テラー博士の恐怖」の4Kレストア版Blu-rayが先日発売された。昔からタイトルは知っているし、見たことがあるような気がするが記憶は定かではない… 自分にとってそういう作品だったので、今回改めて見てみた。
当時、ハマー・フィルム・プロダクションがピーター・カッシングとクリストファー・リーという役者を得て、フランケンシュタインやドラキュラに代表されるホラー映画を量産しヒットさせていたのに続けとばかりに現れたアミカス・プロダクションが、ハマーの2大スターに加えてドナルド・サザーランド等を集めて作ったオムニバス・ホラー。
列車の客室に5人の男とテラー博士が乗り合わせる。テラー博士は男達の未来をひとりひとり順番にタロットカードで占い始めるのだが、それが5つの恐怖譚になるという構成。
ハマーを追う二番手戦略として、スターの数も増やし、オムニバスにすることで吸血鬼も狼男も怪奇植物も怖いものをいっぱい出すぞと意気込んで差別化を図り、オチに至るまで1965年であればなかなか面白かったであろうと想像させる作品ですが、今となっては古めかしいし、ひとつひとつの物語が掘り下げされていないので一発芸レベルで盛り上がりに欠けます。
とはいえ、当時に思いを馳せながら見れば、これを子供時代の自分がテレビで見ていたら怖がったり面白がったりしてたんだろうなぁ…と再確認できて、今回Blu-rayを買った甲斐はありました。
懐かしい人以外にはオススメできませんけど、昔を振り返りたい方には良いのではないかと。あと、映像特典が充実していて、本作が製作された当時のホラー映画の状況を回想するメイキング・ドキュメンタリーは面白かったです。