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ビッグ・フィッシュ(2003)
ティム・バートン監督「ビッグ・フィッシュ」を観ました。病床の父とその息子との和解を軸に、父を取り巻く家族や友人の"愛"を描くファンタジックな物語。
自分の過去を面白おかしく演出し、おおげさな"ホラ話"にして語る父の回想シーンは監督らしい幻想的な映像で表現され、そんな"ホラ話"が一段落する度にきちんと現実世界(死に直面している父とそれを見守る家族)に戻ってくるという演出は見事なまでに自然で、常に幻想の世界だけを描いてきた過去のティム・バートン作品とは一線を画す出色の出来です。
積み重ねられるエピソードが本当におおげさで幻想的で美しくも可笑しいため、この展開でラストに泣けるなんてどうなるんだろ?(←この映画を観た評論家や映画関係者が「泣いた」という話を事前にたくさん聞いてたから)と疑問を抱きながら観ていたのですが、そんな僕もあのシーンには溢れる涙を抑えることができませんでした。一言、「強烈」。優しさや愛情が溢れかえる、強烈なまでに素晴らしい絵を見せられ、脱帽しました。
滅多に出てこない相当感動的な映画であることは間違いないのですが、少しでもファンタジー要素が入っいるのは苦手という方にはお薦めできない映画かな。でも、本当に多くの方に観てほしい良い映画です。
(2004年5月記)