グレンとグレンダ(1953)
Amazonプライムビデオを眺めていたら、エド・ウッド監督の「グレンとグレンダ」に出くわして、わかっていながらも見てしまった(^^;;
ティム・バートン監督の映画「エド・ウッド」で舞台裏を先に見ちゃってるので、どんな酷い展開でも和やかな気持ちで見ていられると言うものです。
女装の許されぬ世の中に絶望して自殺した男。この事件を担当した刑事が「一体これはどういうことなんだ!?」と精神科医に助言を求めに行くと、こんな話をされました。1つ目は、服装倒錯者のグレン=グレンダの話。2つ目は、性転換手術を受けたアラン=アンの話。世の中にはこんな事例があるのだよと。
…なんですが、ほとんどの尺はグレン=グレンダ(女装したグレン)の話に使われ、アラン=アン(女性になったアラン)の話は最後の10分程度。これ、本来は性転換手術の話題に便乗する企画だったのに、服装倒錯者(つまり、女装好き)であるエド・ウッドが自分自身の話をメインにしてしまい、本来のテーマに最後の10分で辻褄を合わせたものなんだそうで。
監督自身がまさに自分自身を反映したグレン=グレンダを、当時のリアルな恋人がその恋人役を演じています。ただ、これでは客を呼べないので、知名度のある役者として当時は引退状態だったかつてのホラー映画のスター=ベラ・ルゴシを"主演"として担ぎ出し、映画の本筋にはほとんど関係ない"狂言回し"を演じさせるのですが、これがまた完全に浮いている。
加えて、当時自由に使えたストック・フッテージから、バッファローの暴走、戦争、製鉄所、軽いボンデージなど脈絡のない映像を次々と差し挟み、これらがベラ・ルゴシと、刑事と精神科医と、グレン=グレンダと一緒くたに、めちゃくちゃとしか思えない編集でつながれて、もうわけがわからない。物語の流れとしては完全に破綻しています。
痛いほどわかるのは、「服装倒錯はおかしくない。認めてもらいたい!!!」というエド・ウッドの真っ直ぐな想いだけ。とゆーか、それしか言ってないよね、この映画…
キミもAmazonプライムで見てみよう!(時間と心に余裕があれば… かなり酷い映画ですが。やめた方がいいですが。)