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マニトウ(1978)

「ジョーズ」の大ヒットを受けて熊に襲われる映画「グリズリー」を撮ってヒットさせたウィリアム・ガードラー監督が、「エクソシスト」の大ヒットを受けて撮った映画が、「マニトウ」だ。たとえベースはエピゴーネンだとしても、こうやって歴史に残るB級映画を2本も撮った才能は、ある意味凄い。

さて、「マニトウ」といえば、綺麗な女の人の首の後ろに腫瘍のようなものが出来、この腫瘍が異常なスピードで成長し、ここから400年前のインディアンの呪術師が復活するという、その気持ち悪い設定だけで当時の子供たちは大盛り上がり!したシロモノ。正直、僕もそのことしか記憶に残っておらず、映画後半の展開はすっかり忘れてた。

"悪魔以上のパワーを持つ最も偉大な呪術師だから、キリスト教の悪魔払いの力は全く役に立たない"という説明が映画中盤でされることで、本作は「エクソシスト」との差別化を図り、スケールをより大きく構えて見せる。さらに、最後は宇宙規模の闘いをもってくるので、(その特殊効果はめっちゃしょぼいが)なんだか途方もなく凄い…ような気もする。

こんな気持ち悪い恐ろしいものが、自分の身体から生まれるという"生理的嫌悪感"を前面に押し出せば映画が一本作れちゃうって思いついただけで偉い!

あと、役者陣がかなり豪華なことも「マニトウ」の特徴のひとつ。「お熱いのがお好き」のトニー・カーティスが主役として面白くカッコ良い独特のキャラを演じ、恐ろしい腫瘍に取り憑かれる儚げな美女をスーザン・ストラスバーグ 、映画後半を支えるインディアンの祈祷師を演じるマイケル・アンサラがこれまたカッコいい。優れた役者がB級映画の品質を高めるわかりやすい事例かも!? ‪

こうやって書いているとなんか凄い映画みたいに思えてきましたが、実際は1970年代のB級ホラーですので、見てみようかなと思った方は、そこんとこお間違いなくお楽しみいただければ…

‪以上、映画「マニトウ」を久々に見た感想でした!‬


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