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ヘル・オブ・ザ・リビング・デッド(1981)

実は僕は全く知らなかった1980年製作のイタリアの、いかにもB級っぽいゾンビ映画がわざわざ4Kリマスターされ今年の2月に海外で4K UHDリリースされた… のが、Amazon.ukのオススメに出てきて、やたらとレビューも高いのが気になったので、"怖いもの見たさ"で購入。というわけで…

ビンセント・ドーン監督「ヘル・オブ・ザ・リビング・デッド」を見た!

ニューギニア奥地の化学プラントで事故が発生し、漏れ出したガスを浴びた職員たちがゾンビらしきものとなって仲間を襲い始めた。調査のためジャングルの奥深くに足を踏み入れた特殊部隊とテレビ記者たちは、道中あちこちでゾンビに襲われた町や村やなんやかやを発見してはゾンビと闘いつつ、化学プラントを目指す。

うーん… やっぱ、B級〜C級な映画ですね。あちこちにポンコツな要素が満載。当時ヒットしたジョージ・A・ロメロ監督の「ゾンビ」にあからさまに便乗。なんじゃ、こりゃ!?

でも、なんだか、それなりに頑張ってる感もあって、最後まで見てしまう。たいして凄くはないけど、まるでダメだって程でもない特殊メイクとか、ね。最低限押さえるべきところは押さえてるって感じかな。よく出来たパチモン…とゆーか、なんとゆーか?

注目ポイント その1
音楽がゴブリン!!! 「サスペリア」や「ゾンビ」の楽曲を手がけたゴブリン! なんで、ゴブリンが音楽を? と思ったら、「ゾンビ」の既成曲を借りてきただけでした。が、しかし!! やっぱ、この楽曲の威力は凄くて、ポンコツな映像でもゴブリンの曲がかかると、それらしく締まって見える…ような気がするから不思議。音楽の力は凄いなと再認識させられます。

注目ポイント その2
野生の王国!!! 映画の中盤から後半にかけて、ジャングルの中を車で進んでいく場面が続くのですが、実際に車やキャストが映るところはそのへんの山程度の場所で、とてもジャングルには見えない。しかし、そこにジャングルの動物たちのフッテージ映像をじゃんじゃん挟み込むことで「ここはジャングルですよ〜」って無理矢理演出してるんだが、野生動物の生態映像をぶつ切りにして大量に混ぜ込まれても…

同じくジャングルで暮らす部族の映像も明らかに他から借りてきた映像で、あたかも本作の登場人物がそこに行ったような話にしているが、映像が全く噛み合わない。

のだけど、不自然さをスルーしてここまで毅然とやると立派だなぁ… って、感心しました。酷いけど!

かように、"違った意味で"見どころ満載な作品で、このどーしよーもない作り上がりが愛されて4Kリマスターまでされたんだねぇ…と妙に納得したのでありました。(しかも、なんでこんな長文書いてんねん、オレ!?)

と、思っていたら、なんと本作が43年の時を経て新宿シネマカリテの特集企画「カリコレ2023/カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2023」(23年7月14日~8月10日、新宿シネマカリテ)にて4Kリマスター版で本邦初公開されるとのこと! いやぁ〜、ビックリするなぁ…

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