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グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024)

そもそも前作の主人公マキシマスは死んじゃったし、まともな続編を作るなんて無理だろう…と高を括って観に行った「グラディエーターII 英雄を呼ぶ声」が、思いの外よく出来ていてビックリした。

前情報を一切入れずに観たのも良かったのだが、「え、そういう繋がりだったの!?」と、(少し無理がある気はするが)きちんと前作からの流れを作った脚本に感心したし、最近のリドリー・スコット監督作品らしく猛スピードで次々と場面展開して飽きさせず、しかも、それぞれの場面がド派手かつド迫力な画作りになっていて、"超娯楽大作"然としている。

凶暴なヒヒや巨大なサイとの闘いや、コロセウムで海戦を再現するときの船や◯◯なんて、もう怪獣映画を観ているような佇まいだ。

デンゼル・ワシントンとペドロ・パスカルは人物設定を含め、なかなかの存在感であるが、しっかり身体を作って主人公を演じるポール・メスカルは、頑張っているものの前作のラッセル・クロウのようなカリスマ性が感じられないし、ゲタ帝&カラカラ帝も前作のホアキン・フェニックスほどの深みがない。

と、まあ、登場人物の弱さという欠点はあるものの、絵画風なタッチで前作を振り返るオープニングから、作り込まれた舞台や衣装、ちょっと捻った物語、ケレン味溢れる映像と、「まともな続編を作るなんて無理だろう」と思っていた予想を覆して、しっかりと娯楽作品を見せてくれたリドリー・スコット監督86歳に敬意を表します。

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