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ブラック・ムーン(1975)
ルイ・マル監督が1975年に撮った「ブラック・ムーン」を見た。
主人公の十代女性が車を走らせていて、アナグマを轢く。一旦停止はしてみたものの、「まあ、いいか」とばかりに何もなかったかのように先に向かう。
すると突然、そこは爆撃の音が轟く戦場だ。何故か男と女が戦争をしている。主人公は車のスピードを上げ、戦場から逃れようとする。
一軒の屋敷を見つけた主人公はそこに逃げ込むが、この館には謎の言葉で動物と喋ったりたら無線で何者かと通信している寝たきりの老婆と、謎めいた双子のような男女、裸で走り回るたくさんの子供たち、喋るユニコーンや喋る草花…たちがいる。のだが、勝手に上がり込んだ主人公は周囲のことは気にせず、館で傍若無人に振る舞う。
主人公の身勝手な振る舞いは見ていてホント嫌気がさすのだが、監督は、その身勝手さを魅力として描こうとしているかのように感じる。
動物を轢いたところから、謎の異世界に入り込んで、わけのわからない世界に行っても自分の思うままに勝手な行動をとるのは「不思議の国のアリス」の変奏。
とにもかくにもヘンテコな映画でした…
2021/1/24記